ChatGPTに人材紹介への参入を前提としたビジネスプランを考えさせるとどうなる?
人材紹介は年収400万円~500万円の層のマッチングが成立すれば、100万円以上の見込み売り上げが立つ収益性の高さが魅力です。
とはいえ国内には既に多数の人材紹介会社が存在しており、どのマーケットにどのような戦略で参入し、競合に対する新規性や優位性をどう確立するかは難しい問いです。
今回はそんな誰しもが悩むトピックをChatGPTにぶつけ、ChatGPTに人材紹介への参入を前提としたビジネスプランを考えさせるとどうなるか検証してみました。
ChatGPTの実際の返答も載せるので、ぜひChatGPT × 人材紹介の使い方の参考にしてください。
ChatGPTに指示したこと
今回、筆者はまず以下の記事の要約をBing AIに1000文字を目安に出力してもらいました。
そしてその参考資料とChatGPTの持つ全ての知識を用いて、以下の出力形式に沿ってアウトプットを出力するように依頼しました。
# 出力形式
1.参入する業界
[Goal1を格納する]
2.求職者集客の手法
[Goal2を格納する]
3.法人営業の手法
[Goal3を格納する]
4.新規性
[Goal4を格納する]
この各Goalに、テキストでChatGPTが人材紹介の新しいビジネスプランに関する項目を格納していく形です。各項目の意味は読んで字の通りなのですが、プロンプトを書く際に意識したことは「4.新規性」。
この項目の調節に意外と苦戦しました。新規性を設定しなくてはあまりにあり触れたプランを出力し、新規性の比重を高めると「グリーンテック業界への人材紹介での参入」といった日本国内だとまだ奇抜性が強すぎるアイデアが出てくる形でした。
参考資料:要約した文章
要約して、事前にChatGPTに伝えておいた文章は以下の通りです。この文章も学習対象に含めてもらいました。なお要約はBing AIに任せてみました。
# 人材紹介会社の起業完全ガイド【2023年最新版】
人材紹介会社とは、企業と求職者をマッチングさせるサービスを提供する会社です。高い収益性や自由度が魅力ですが、競争も激しく、法令遵守や顧客満足度も重要です。
人材紹介会社の市場規模は年々拡大しており、特にITや医療などの専門分野では需要が高まっています。しかし、同時に競合も増えており、ニーズに応えるためには高い品質やスピードが求められます。
人材紹介会社の起業には、市場調査やビジネスプラン作成、資金調達や許認可取得などが必要です。特に、人材紹介業の許可は厳格な審査があり、必要な書類や条件を満たす必要があります。また、税務や労働法などの知識も必要です。
人材紹介会社のビジネスモデルは、求人者に求職者を紹介することで紹介手数料を得るというものです。紹介手数料は一般的に年収の20~30%程度で、マッチングが成功した際に支払われます。しかし、このビジネスモデルは成功率が低く、コストも高いため、利益を上げるためには効率的な営業やマーケティングが必要です。
人材紹介会社の営業戦略としては、自社の強みやターゲットを明確にし、差別化や付加価値を提供することが大切です。例えば、特定の分野や職種に特化したり、オンラインでのサービス提供やAIを活用したりすることで、顧客のニーズに応えることができます。また、顧客獲得やリピート率向上のためには、信頼関係の構築やアフターフォローなども重要です。
人材紹介会社の組織構築としては、採用・育成・評価・報酬制度などの人事管理が必要です。特に、人材紹介業は人材が最大の資産であり、優秀なコンサルタントを確保することが重要です。そのためには、適切な教育やフィードバックやインセンティブなどを用意することが必要です。
人材紹介会社の成功事例や失敗事例から学ぶことも多くあります。成功事例では、自社の強みやターゲットを明確にし、差別化や付加価値を提供したり、オンラインでのサービス提供やAIを活用したりすることで、市場シェアを獲得しているケースなどがあります
AIが出力した人材紹介に関するビジネスプラン
上の手順及び出力形式に沿って、ChatGPTに考えてもらった人材紹介のビジネスプランをご紹介します。
1.参入する業界
IT・テクノロジー業界に特化した人材紹介サービスを展開します。この分野は日本国内において需要が高く、絶えず進化し続ける技術革新に対応する人材が求められています。また、業界を理解した専門性が求められるため、特化型の人材紹介サービスが営業機会を持っています。
筆者コメント:前述の通り、「新規性」と「実際のマーケット」のバランスに苦戦した部分です。国内の既存の市場規模も意識するようにプロンプトで事前に伝えると、IT業界への参入という結論が出ました。なお「参考資料」で「ITと医療」を記載していることも学習材料として大きいでしょう。与える材料次第で変わりそうです。
2.求職者集客の手法
(1) オンラインプラットフォーム:自社ウェブサイトとスマートフォンアプリを開発し、求職者が簡単に登録できるようにする。最新の求人情報や業界ニュースを掲載し、ユーザーが定期的にアクセスしたくなるコンテンツを提供する。
(2) ソーシャルメディアマーケティング:Facebook、LinkedIn、Twitterなどのソーシャルメディアを活用し、求職者にブランド認知を高める。また、有益な情報を発信することでフォロワーを増やし、リーチを拡大する。
(3) セミナー・イベント:業界に関連するセミナーやイベントを開催し、求職者と直接コミュニケーションを図る。プロフェッショナルな知識やスキルを伝えることで、求職者が自社サービスを信頼し登録するきっかけを作る。
筆者コメント:自社スマートフォンアプリを開発し、そこに最新の求人情報だけでなく「業界ニュース」をまとめ、リテンションを促していくというのが独自性が強い部分ではないでしょうか。転職系のアプリは市場にたくさんありますが、ニュースコンテンツをセットにしているのは珍しいです。
3.法人営業の手法
(1) リサーチ&アプローチ:IT・テクノロジー業界における中小企業や大手企業をリサーチし、人材ニーズを把握。その後、電話やメールでアプローチし、自社サービスの強みをアピールする。
(2) パートナーシップ:業界内のコンサルティング会社や企業と協力関係を構築し、相互紹介を行うことで新たな顧客を獲得する。
(3) ケーススタディ:成功事例や実績をまとめたケーススタディを作成し、ウェブサイトや営業資料に活用。これにより、自社サービスがどのように企業の人材課題を解決しているかを具体的に示す。
筆者コメント:ここの項目にはさほど特筆すべきものはないです。あえて言えば「AIでもやはり電話やメールの泥臭い営業は重視しているものである」というのは発見でした。
4.新規性(1回目)
ここの箇所は初回のアウトプットがかなり物足りなかったので、2回出力しました。まず一回目は以下の通り。
競合優位性:
(1) 独自のマッチングアルゴリズム:IT・テクノロジー業界の求職者と企業のニーズを正確に把握し、高精度のマッチングを実現する独自のアルゴリズムを開発します。これにより、求職者と企業双方の満足度を高めることができます。
(2) 業界専門のキャリアアドバイザー:IT・テクノロジー業界に精通したキャリアアドバイザーを配置し、求職者に対して適切なアドバイスやサポートを提供します。これにより、他社との差別化を図ります。
自社の強み:
(1) 専門性:IT・テクノロジー業界に特化したサービスであるため、求職者と企業双方のニーズを深く理解している。
(2) 迅速な対応:最新の技術や業界動向を把握し、素早く適切な求人情報を提供することで、求職者と企業のタイムリーなマッチングを促進します。
既存の会社で言えばどの企業のビジネスモデルに近いのか:
自社のビジネスモデルは、IT・テクノロジー業界に特化した人材紹介サービスを展開している企業、例えば『テックファーム』や『リンクアンドモチベーション』に近いものです。
その企業に勝つための戦略:
(1) ブランディング:自社の専門性や高品質なサービスをアピールし、認知度やブランド力を向上させる。
(2) クライアントとの強固な関係構築:企業との継続的なコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築し、リピート率を高める。
(3) イノベーション:業界の変化やニーズに対応するため、継続的にサービスを改善し、新たな価値を提供します。
筆者コメント:微妙ですね。「ブランディング」「アルゴリズム」「関係構築」などどこの企業でも大事にしていることを書いているだけなので、これではビジネスプランを作ったところでどこからも出資は受けられないでしょう。
新規性(2回目)
4.新規性
競合優位性:
(1) 人材育成プログラムの提供:IT・テクノロジー業界の求職者に対し、独自の人材育成プログラムを提供します。これにより、求職者のスキル向上を促し、企業に対して高品質な人材を紹介することができます。
(2) 業界別コミュニティの構築:IT・テクノロジー業界内で、業界別コミュニティを構築し、求職者と企業が交流できる場を提供します。これにより、ネットワーキングの機会を増やし、企業と求職者のマッチングを促進します。
自社の強み:
(1) 独自の人材育成プログラム:求職者が自身のスキルを磨くことができる独自のプログラムを提供し、他社と差別化を図ります。
(2) コミュニティ構築力:業界内でのコミュニティを構築し、求職者と企業が繋がりやすい環境を作り出します。
既存の会社で言えばどの企業のビジネスモデルに近いのか:
自社のビジネスモデルは、人材育成とコミュニティ構築を重視した人材紹介サービスを展開している企業、例えば『レバテック』や『コネヒト』に近いものです。
その企業に勝つための戦略:
(1) パートナーシップの拡大:IT・テクノロジー業界の教育・研修機関と連携し、人材育成プログラムの質と量を充実させます。
(2) オンライン・オフラインイベントの開催:業界別コミュニティを活性化させるため、オンライン・オフラインイベントを定期的に開催し、参加者同士の交流を促します。
(3) 顧客満足度の追求:顧客満足度を高めるため、紹介した人材のアフターフォローを徹底し、企業と求職者双方からのフィードバックを活用してサービス改善を行います。
筆者コメント:これなら「アリ」な感じがします。スマートフォンアプリを通じて求人情報だけでなくニュース記事も配信することで、ユーザーのリテンションを積極的に促しながら「人材育成プログラム」や「オンライン・オフラインイベント」に読者を誘導していく流れが強く感じられます。
あえて言えば、人材育成プログラムやイベントを介する分、ビジネスモデルとして資金の回収までのリードタイムが長いことが弱点でしょう。また紹介する人材が経験が浅い人材に偏りそうなリスクもあります。
スマホアプリを開発するので、そのアプリユーザーに対して他のエージェントがスカウトメールを配信できるような仕組みも設けて「紹介手数料」と「広告費」の2通りのマネタイズを考えると良いかもしれません。
感想
与える「参考資料」をより分厚くしたり、内容を変えることでどこまでもビジネスモデルのたたき台を作れそうだという感触を得ました。
たとえば、今回はシンプルに4項目だけを出力しましたが、たとえば「その業種の平均年収と1件当たりのマッチング成約時の見込み単価」や「歩留まり率」「早期退職率」などのデータを与えれば、ある程度は売上の試算も出せるのではないでしょうか。
また素直な感想としては、物凄く頭が良い大学の友達に「こんな感じのビジネスモデル、たたき台でいいから考えてくれない?」と質問し続けているような感覚を得ました。あくまで友だちが親切に考えてくれているに過ぎないので、ディテールは自分で詰めた方がはるかに高品質に仕上がりますし、AIの提案には突っ込みどころもあるのも事実です。
「そのまま使える品質」のビジネスプランは出力が難しいですが、一回、飲み代を奢る(※ChatGPT Plusの月額料金はおよそ2600円です)代わりに、ビジネスプランのたたき台を頭の良い友達が考えてくれる。気にくわないところは再出力もできるので、非常に便利です。
ぜひ皆さんも、ChatGPTで人材紹介のビジネスプランのたたき台を作ってみてはいかがでしょうか。
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