【求人開拓完全ガイド】小規模人材紹介会社向けに最新の営業手法の一覧を紹介
人材紹介事業において、求人案件は欠かせないものです。しかし、求人案件の量が多ければ、比例して売上が拡大するかというと、そうではありません。特に少人数で事業を運営する小規模人材紹介会社は、少ないリソースの中で求職者対応と求人開拓を同時並行で進めていかなければなりません。
そんな状況の中、小規模紹介事業者は、求人開拓とどのように向き合っていけば良いのでしょうか。本記事では、小規模人材紹介事業者が知っておくべき求人開拓の情報をまとめている記事です。
求人開拓方法
人材紹介会社が求人案件を集める業務は「求人開拓」と呼ばれ、その方法は大きく分けて下記の2つです。
- アウトバウンド営業
- インバウンド営業
アウトバウンド営業
人材紹介会社の大小に関わらず、最も行われている求人の集め方です。自社発信で採用活動をしている企業にアプローチをしていく営業手法を「アウトバウンド」と定義するのが一般的です。現在採用を行なっている企業の中で、自社で取り扱いをしたい求人企業を一社ずつリストアップし、電話、メール、FAX等で営業活動を行っていきます。
その中でもいくつか具体例をご紹介します。
求人媒体に掲載されている企業へのアプローチ
アウトバウンド営業の中でも頻繁に行われているのが、求人媒体に掲載されている企業へのアプローチです。マイナビやリクナビといった求人媒体に掲載されている企業をリストアップし、営業を行っていきます。
求人媒体に掲載されていることからも、採用ニーズが企業にあり、効率的に求人企業を集めることができます。しかし、こういった求人媒体に掲載されている企業の中には、人材紹介会社を利用するよりも、より低コストで採用を行いたいと考えている場合があるので、決して獲得確率が高いとはいえません。採用をしているからといって、人材紹介での採用をする確率は決して高くはないのです。
人材紹介会社に掲載されている求人企業へのアプローチ
先ほどお伝えした「求人媒体に掲載されている企業へのアプローチ」よりも、より確度の高い方法です。大手の人材紹介会社(リクルートエージェント、DODA、ワークポートなど)では、自社のWebサイト上に求人企業名を実名で多数公開しています。すでに人材紹介会社を利用しているという実績からも、人材紹介会社を利用する確率が高いです。
この方法でアプローチする際には、求人企業側が、すでに人材紹介を利用していることを踏まえて、「なぜ自社の人材紹介サービスも利用する必要があるのか」人事担当者を納得させるだけの、自社の強みや理由を考えておきましょう。最近では、紹介事業者の増加により、人材紹介会社をすでに利用していたとしても、工数削減を目的とし紹介事業者との取引者数を制限している企業も多いのです。
アウトバウンド営業のメリット
1つ目のアウトバウンド営業のメリットは、狙った求人案件を獲得できるところです。インバウンド営業のデメリットでも後述しますが、インバウンドでの営業方法はアウトバウンドに比べてターゲティング精度が下がります。人材紹介事業ではいかに必要な求人案件を集めるかが重要なポイントなので、多くの紹介会社が利用しているのも納得できます。
2つ目のメリットは、営業を開始してから獲得までの期間が短いことです。半年から1年程度の投資期間が必要なインバウンド営業と違い、事業開始と同時に営業活動をはじめることができ、最速で1~2週間で求人掲載を行えることが大きな魅力といえます。
インバウンド営業
インバウンド営業とは、自社のWebサイトやチラシなどの接点を通じて、企業の方から行動を起こしてもらう営業手法のことです。旧来のテレアポ営業とは違い、求人企業の方から興味を持って問い合わせや資料請求をしてくることが多いため、成約率も高い方法です。
こちらも具体例をご紹介します。
Web広告による集客
Web広告は、多少の費用はかかりますが即効性があるのが特徴です。
一般的にはLP(ランディングページ)と呼ばれる、自社人材紹介の強みやサービス内容を説明した、1ページのWebサイトを用意して広告を出稿します。広告の出稿先として代表的なのは、Google、Yahoo!、Facebookなどで、その中にもいくつか種類が存在します。
広告の出稿先とLPの完成度により、広告成功の可否が決まるため、それを見極める専門的な知識と経験が必要になります。また、広告の出稿後も細かな改善作業が発生するため、継続して人員を当てる必要もあります。社内に詳しい人材がいない場合には、広告代理店を利用するのも一つの手です。自社の戦略に合った広告手法を選ぶことで効率的に求人を集められるでしょう。
オウンドメディアによる集客
オウンドメディアと呼ばれる自社のメディアを作成し、Googleの検索結果から求人を集める方法です。採用を考えている人事担当者が検索しそうなキーワードを狙って記事を書き、そこから問い合わせ、または資料請求に繋げます。
例えば、エンジニアの人材紹介に特化していた場合、「エンジニア 採用」というキーワードを狙って記事を書き、エンジニア を採用したい人事担当者に接触し、そこから問い合わせをさせる導線を設計していきます。一度書いた記事は消さない限りWeb上に残り続けるため、継続的に集客し続けます。また、Web広告とは違い、広告掲載費用がかからないため、費用を抑えて始めることができるのも魅力です。
求人企業の紹介による集客
求人企業が求める人材を継続して推薦することで、他社を紹介してもらうと言う手法です。これに得策はなく、とにかく顧客の満足度を高めることが、紹介を生むことに繋がります。求人企業と良好な関係を続けていれば、他社よりも優良な人材紹介会社だという印象を持ってもらえ、紹介してもらえる確度は上がるでしょう。そのためにも求人企業へのヒアリングを念入りに行い、求職者への面談もより丁寧に、人材紹介会社としての価値を高めることが最大の近道なのです。
インバウンド営業のメリット
1つ目のインバウンド営業のメリットは、成約率が高いことです。インバウンドで獲得した商談は、顧客もすでにサービス内容に興味持っていることが多いことから、アウトバウンド営業よりも成約率が高くなります。つまり、営業にかかる工数が減り、その分求職者の対応などに時間を使うことが出来るようになります。
2つ目のメリットは、仕組みさえ作ってしまえば、工数をかけずとも商談を設定し続けられる可能性があることです。上記のような問い合わせへの導線は一度作ってしまえば、継続的に機能し続けるものです。アウトバウンド営業は、誰かが継続的にアプローチし続けなければ開拓することが難しいのですが、インバウンドはその必要がないのです。
求人開拓時のポイントについては、下記記事で詳細を説明しています。
求人開拓にかかるリスク
実は求人を開拓することには、大きなリスクが存在します。求人案件は量が多ければ多いほど、自社に優位に働くという訳ではないのです。求人を開拓すればするほど、自社にとって大きな負債になっていく可能性すらあるのです。
求人案件をむやみに開拓することのリスクは、下記記事にて詳細を説明しています。
求人開拓にかかる時間
皆さんは求人開拓にはどれくらいの時間がかかると思いますか?今回は例として、「30求人」をアウトバウンドで開拓するために、必要な行動量を分解して、ご紹介します。
商談からの求人を公開できる割合は、業界平均で6割程度と言われています。つまり、30求人を公開するためには、50社との商談が必要です。 これは1ヶ月で訪問しようとすると、毎日2,5件の商談が必要な計算になります。これにかかる時間は、移動時間も含めて考えると、なんと毎月約100時間もの時間です。
そして、50社のアポイントを獲得するために必要な電話営業数は、5,000件です。アポイント獲得率は1%が業界平均です。1時間に荷電できる件数は20件程度と言われているので、アポイントの獲得だけでも、なんと250時間が必要な計算です。
商談の獲得に250時間、商談を実施する時間に100時間、合計350時間がかかる計算です。つまり、営業マンが月に使える時間が月間に160時間(8時間×20日)なので、営業マンが求人の開拓だけに時間を使ったとしても、1ヶ月では30求人もの求人を開拓することは、不可能な計算になります。 たった30求人の開拓でも、最低でも2人以上の、求人開拓専任の担当者が必要なのです。
まとめ
人材紹介会社が求人案件を集めるには、求人開拓を地道に行なっていかなくてはいけません。実際に、多くの人材紹介会社はアウトバウンド営業活動を地道に続けています。
しかし、小規模事業者の場合、実績が少ない状況のため、求人企業から相手にされないことも多く、決して効率的な方法とは言えないでしょう。また多くの時間を求人開拓に割いてしまうと、売上に繋がる求職者支援にかけることができる時間が減少してしまいます。
そこで最近では求人データベースサービスを利用するのが主流になりつつあります。求人データベースを使うことで本記事で紹介したような「営業活動」はすべて不要になり、本来注力すべきである、求職者との面談に時間を使うことができます。売上に直結する重要な業務に時間を割くことこそが、最短での売上構築や売上拡大への近道なのです。
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