人材紹介会社の営業はきつい?辛い?営業のコツや効率化の方法を解説
今回は「人材紹介会社の営業がきつい理由」を解説します。
人材紹介会社の営業職は、大きく分けて「法人営業」「個人営業」に分かれます。
それぞれ担当する役割は異なりますが、いずれも「成果報酬型のビジネスモデルによるノルマのきつさ」は共通しています。
一方で、人材紹介会社の営業の業務内容は求人データベースや管理システムの導入による「効率化」の余地が大きなものでもあります。
1つ1つ解説していきます。
人材紹介会社の営業の仕事内容
人材紹介会社の営業の仕事内容は、大きく分けて「法人営業」「個人営業」の二通りに分かれます。
法人営業は「リクルーティングアドバイザー」と呼ばれ、個人営業は「キャリアアドバイザー」や「キャリアコンサルタント」とも呼ばれます。
より詳細な仕事内容は、こちらの記事で詳しく解説しています。
リクルーティングアドバイザーの業務内容については、こちらの記事でもより掘り下げて紹介しています。
人材紹介会社の営業が「きつい」と言われる理由
人材紹介会社の営業が「きつい」と言われる理由は、一言で言えば「成果報酬型のビジネスモデルのため、営業に課せられるノルマが厳しいものになりやすい」というものです。
ただし、厳密には「法人営業」と「個人営業」で「きつい」「辛い」と感じるポイントは異なります。
より詳しく見ていきましょう。
法人営業
まずは法人営業(リクルーティングアドバイザー)の「きつさ」について紹介します。
求人案件の「質」と「量」を揃えるのが大変
特に立ち上げ当初の小規模人材紹介会社にとっては、求人案件の「質」と「量」を両立させることのハードルが高いです。
人材紹介会社は成果報酬制のため、純広告を中心とする求人広告媒体の営業と比較すれば「求人案件の獲得」のハードルは本来、比較的低めではあります。
ただし「立ち上げ直後の人材紹介会社が、大手の求人案件を次々獲得できる」ほどハードルが低いわけでもありません。
そして、求人案件の獲得のハードルが低い無名の企業の案件ばかりを取り揃えると「求職者(個人)にとっての紹介会社を使うに足る魅力」が薄くなります。
立ち上げ直後の、資金的にも人員的にも余裕がない状況下で求人の「質」「量」を両方追求しなくてはいけないため「きつい」です。
案件獲得からマッチングまでのリードタイムが長い
こちらも、特に立ち上げ直後の小規模人材紹介会社に関連する内容です。
求人案件は「獲得すればすぐにマッチする人材が見つかり、採用が決定する」という類のものではありません。
求人案件を獲得するも、自社がリーチしている求職者に適する人材がすぐには見つからないというケースも珍しくはありません。
よって、短期的に見れば「営業コストがかさむ一方で、マッチングが成立せずに入金がない」という状況にもなりやすいです。
人材紹介会社を立ち上げる際には、免許取得に資産要件が設定されています。場合によっては、資産要件をより上回る額の資本金を用意しておくことも大事でしょう。
景気変動の影響を受けやすい
人材紹介業は、景気変動の影響を受けやすい業界です。不景気時には多くの企業が採用活動を控えるため、求人案件の獲得や求職者とのマッチング成立が難しくなるためです。
そして人材紹介業は、営業人員の人数と売り上げが比例しやすい職種でもあります。つまり売り上げが立たない場合は、多額の人件費を中心とする支出が続く業種です。
不景気時は採用ニーズが小さいにも関わらず「求人案件の獲得」がノルマとして課せられ続けるため、きついです。
ノルマが高め
上記にも書いた通り、人材紹介業の営業のノルマは高めです。
量と質を両方担保することを求められ、不景気にも求人案件の獲得を求められ、なおかつ数値目標が高く設定されることがあります。
コミュニケーションコストが高い
法人営業は「リクルーティングアドバイザー」の名称のとおり、クライアント企業の人事・採用業務に対するアドバイザー的な役割も担います。
多くのクライアントの要望をヒアリングし、アドバイスを行い、求人票を作成することを繰り返します。
コロナ禍ではリモートによる営業活動も広まりましたが、いまもなおクライアントのオフィスに出向く必要がある場面もあります。人によっては「クライアントとのやり取りがきつい」と感じることもあるでしょう。
個人営業
続いて、個人営業(キャリアコンサルタント)についても見ていきましょう。
ストレスがたまりやすい
個人がキャリアカウンセリングを受ける目的は様々です。
真剣に転職先を探してカウンセリングを受ける人もいれば、「無料だからなんとなくカウンセリングに申し込んだ」という人もいるでしょう。
未経験者や第二新卒の場合では、キャリアカウンセリング自体は受けていても「転職の目的」や「自分のやりたいこと」が明確ではなく会話をしていても「要領を得ない」こともあるでしょう。
キャリアコンサルタントも人間です。多数の転職支援をすることはやりがいを感じられる場面ばかりではなく、ストレスを感じてしまうこともあります。
トラブルに発展するケースがある
個人営業(キャリアコンサルタント)の役割は、求職者(個人)のキャリアカウンセリングを行ったうえで自社が保有する求人案件とマッチング。求人企業への入社までサポートし、求人者(企業)から紹介手数料を受け取ることです。
つまり、求職者と求人者のマッチングが成立しなくては利益は生まれません。よって時には、求職者に対してやや強めに求人案件を提案せざるを得ない場面も出てくるでしょう。
すると、求職者にとっては「転職を強要された」と感じることがありトラブルに発展してしまうケースもあります。
理想と現実のギャップが大きめ
キャリアコンサルタントを志望する人は、多かれ少なかれ「人材業界に対する理想」を抱いていることが多いです。
たとえば「日本のプロフェッショナル人材が世界で輝けるようにグローバル転職のサポートしたい」「第二新卒やフリーター向けに未経験からの転職サポートをしたい」といった理想像が代表例です。
しかし、実際には「割り切り」も大事です。
特に営業職の場合、一人で数十社の求人案件を取り扱うことは珍しくありません。数十社の求人案件の中には、自分の思い描く理想のキャリアサポートや「取り扱いたい求人」とはかけ離れたものも少なくはないはずです。
自分の「人材業界に対する理想」が大きければ大きいほど、実際の業務に対しては失望感を覚えてしまう場面もあるかもしれません。
人材紹介会社の営業に向いている人・向いていない人
人材紹介会社の営業に向いている人は「コミュニケーション能力が高い」「行動力がある」「知的好奇心が旺盛」な人です。
一方で、テンションが高いノリが苦手な人やトラブルや突発的な事態にパニックになりやすい人にはあまり向いていないでしょう。
人材紹介会社の営業を効率化するコツ
最後に、人材紹介会社の営業を効率化するコツを「小規模人材紹介会社向け」「中規模以上向け」に分けて紹介します。
小規模人材紹介会社向け
まずは小規模人材紹介会社向けのコツを紹介します。
小規模人材紹介会社の場合、立ち上げ直後の「求人案件の量と質を担保する」フェーズが非常にハードです。
このフェーズをどれだけ効率化し、求職者のキャリアサポートなどマッチング確度を高めるための業務にリソースを集中できるかが重要です。
求人データベースを利用する
求人データベースとは、クラウド上に公開されている求人案件に自社がリーチしている求職者をマッチングすることで人材紹介業を運営できるサービスです。
人材紹介業の許認可取得後、まず発生する法人営業・求人開拓業務の工数を大幅に削減可能です。
求人データベースについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。
求職者データベースを利用する
求職者データベースとは、転職サイトに登録している会員のうち「スカウトメールを受け取る」設定をしている個人に対してスカウトメールの送信などを可能とする人材紹介会社向けサービスです。
代表的なサービスには「リクナビNEXTエージェントネットワーク」があります。
リクナビNEXTエージェントネットワークの場合、リクナビNEXTに登録している会員のおよそ8割にリーチ可能。人材紹介会社はスカウトメールを通じて、リクナビNEXTの会員に自社保有の求人案件をアピールできます。
求職者データベースと求人データベースを組み合わせることで、求人開拓と求職者集客をどちらも効率化可能です。
中規模以上の人材紹介会社向け
続いて中規模以上の人材紹介会社向けのコツを紹介します。
人材紹介会社向けの管理ツールを導入する
中規模以上の人材紹介会社において、課題となりやすいのは「求職者管理」です。
求職者と求人者のマッチング件数を1つでも増やすためには「求職者の応募管理」「面談回数管理」「面談履歴の管理」が重要です。
こうした情報を管理することで、キャリアコンサルタントとの初回面談を終えた後「どの求人案件にも応募していない求職者」や「面接をしていない求職者」「面接に落ち続けており、重点的なサポートが必要な求職者」を洗い出すことができます。
また多くのサービスでは「求人案件の管理」にも対応しています。営業担当者が獲得したばかりのホットな求人や、まだ求職者を紹介出来ていない求人の洗い出しも可能です。
こうした管理ツールを導入することで、抜け漏れがなくマッチングの成約確度が高い事業運営が可能になります。
まとめ
人材紹介の営業の「きつさ」について紹介しました。人材紹介の営業は「きつい」側面も大きいですが、効率化の余地も大きい業務です。人材データベースの導入や管理システムの導入などをぜひ前向きに検討してみてください
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