時代の潮流に合った事業戦略が、成功の可否を分ける
「なかなか求職者が集まらない」「集まっても入社まで導くことができない」
このようなお悩みを抱えている紹介事業者の方々は多いのではないでしょうか。
一方で、上記のような悩みを全く抱えずに、高い生産性を保ち、成功を収めている紹介事業者も多くあります。その成功している事業者と課題を抱える事業者との差は、一体何なのでしょうか。
本記事では、様々な事業者と意見を交換する中で、「時代の潮流に合った事業戦略が、成功の可否を分ける」という仮説を立てた理由について書いています。
時代の潮流に合ったターゲット設定が集客コストを下げる
まず1つ目の理由が、時代の潮流に合った求職者のターゲット設定ができれば、他社エージェントとの競合性が低くなり、集客コストや離脱率が下がるというものです。
ここにおける時代の潮流とは何を指すのかという部分ですが、転職マーケットにおける人材の流れです。この流れが時代によって変化する理由には、求職者の価値観の変化や業界の盛衰など、複数の要素があります。極端な例をあげると、一昔前に人気だった銀行から転職を希望する人は少なく、ターゲットを銀行と設定していても、集客には苦労していたはずです。しかし現在では、逆に銀行からの求職者が増えてきており、銀行に特化した転職エージェントも出てきています。
こういった時代の変化を正確に捉えて、これから人が動き出す業界にて、独自のポジションを築くことができれば、集客の難易度は格段に下がります。つまり、今まで競合エージェントがターゲットに設定していなかった求職者層を狙っていくことで、集客コスト、そして離脱率の低下が期待できるのです。
時代の潮流に合った求人提案が離脱率を下げる
2つ目の理由が、時代の潮流に合った求人提案ができるかによって、求職者の離脱率や内定率に大きな影響を及ぼすというものです。
集客ターゲットを適切に設定できたとしても、時代の潮流を理解して求人を提案していなければ、的外れの提案をしてしまうことで信頼を失い、求職者の離脱に繋がってしまいます。上記の例としては、一昔前の価値観から「銀行出身者は安定志向が多いから、次も安定した会社の求人を紹介しよう」と考えるエージェントも少なくなく、会社で保有する求人案件も金融系の安定した求人を多く保有しているケースも多かったでしょう。
しかし、今では銀行の将来を心配し、年収を下げてでも、フィンテック系のベンチャー企業への転職を希望する求職者が増えてきています。つまり、ここで時代の潮流にあった求人(フィンテック系ベンチャーetc)を保有し、相手のニーズによって適切な提案ができるかどうかが重要です。この潮流を理解し、他社が保有していない求人を提案することができれば、他社との差別化になるだけでなく、求人企業の採用ニーズともマッチする可能性も高く、内定率の向上も見込めます。
時代の潮流に乗ることで独自のポジションを取れる
3つ目の理由が、上記2つのように時代の潮流に乗ることで、独自のポジションを築くことができるというものです。
人材紹介事業者は、東京だけでも毎月100件近く増加をし続けており、ポジションの奪い合いが続いています。また、領域を特化する事業者が多く、既存の領域では既に長年をかけてポジションをとり、ブランディングを築き上げてきた事業者が多く存在しています。そのような状況の中で、独自のポジションを築き上げることは至難の技です。
そんな中、新規の中小事業者が独自のポジションを築くためには、新しい領域で勝負していくことが必要です。長年かけてポジションを築いてきた会社は、今のポジションを捨て、新しい領域に参入していくハードルが高く、新しい領域にチャンスがあるといえます。独自のポジションを築くことができれば、集客コストも下がり、他社と競合する機会も減るので、離脱率の低下も見込めるでしょう。
まとめ
中小人材紹介事業者こそ、時代の潮流を読み、新しい領域で勝負することが、紹介事業での成功の可否を分けていきます。これからは今まで以上に目まぐるしく時代が変化していき、転職マーケットにも大きな変化が度々起こっていくことが予想されます。
紹介事業者にとっては、柔軟に自身のポジションをとっていけるかが大きな違いを生み出していくでしょう。大規模紹介事業者が有利な時代は終わっていき、より柔軟にそしてスピーディーに変化していける事業者こそが、求職者と求人企業の双方に価値を提供していける時代がすぐそこにやってきています。
また、新しい領域にチャレンジするときは、できるだけリソースをかけずに、仮説検証を進めたいところです。新たな領域の求人を獲得して、事業を再スタートしてみたものの上手くいかなかった場合に、無駄な時間と使えない求人だけが負債として残ってしまうからです。
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