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ヘッドハンティングは原則合法 – 元社員による大量引き抜きなど違法のケースも解説

    ヘッドハンティングは原則合法です。しかしいくつかの条件が揃うと、違法扱いになることもあります。今回はヘッドハンティングの「合法」「違法」の例についてそれぞれ紹介します。

    ヘッドハンティングは原則合法

    まず原則として、ヘッドハンティングは原則合法です。「引き抜かれる側」の労働者には職業選択の自由があり、労働者に課せられる競業避止義務などは「努力義務」に近い位置づけのためです。

    ヘッドハンター側も、引き抜きは「転職支援」の一環であるという主張が十分に成り立ちます。

    ヘッドハンティングが違法とみなされるケースは「社員による引き抜き」など

    ヘッドハンティングが違法とみなされるケースは、実は「社員による引き抜き」など限定的なものです。違法とみなされるか否かのポイントを解説します。

    ポイント1:誠実義務/競業避止義務

    労働者は在職中の企業に対して、誠実義務/競業避止義務を持ちます。つまり「在職中の従業員による、他の社員への勧誘・引き抜き」などは背信行為です。

    とはいえこのケースでも、労働者には職業選択の自由があること自体は変わりません。現実的には一名程度の引き抜きであれば、良くも悪くも不問となることも多いです。

    しかし「部署丸ごとの引き抜きかつ競合他社への転職」などは、企業に与える損害の範囲も大きく違法とみなされる可能性が高いです。

    ポイント2:引き抜き計画を画策したのは誰か

    「在職中の従業員が引き抜きを画策したか」「元社員が引き抜きを画策したか」「競合他社が引き抜きを画策したか」など、引き抜きの主体も問題となります。

    ポイント1の誠実義務は「在職中の社員」に発生するものです。つまり元社員や競合他社に対しては、誠実義務などは問えません。よって引き抜きが違法行為とみなすことができるレベルか否か、証明の難しさは上がります。

    元社員や競合の引き抜きが違法とするには、引き抜きが与えた損害額が大きいこと。また引き抜き時に「この会社は倒産しそうだから転職すべき」など虚偽の情報を伝えたなど、社会的に逸脱した行為が認められることが大事になります。

    ポイント3:引き抜きによって生じた損害の規模

    引き抜きによる損害額が小さい場合、労働者の選択の自由がそもそも認められていることもあり、少なくとも違法性が大きいとは認められづらいです。自社の法務部と相談したうえで、裁判の手間も考慮して「黙認」してしまうことも多いでしょう。

    現実には「部署丸ごとの引き抜き」や「引き抜きに伴って機密情報も漏出している」など、損害が大きい場合に引き抜きの違法性が大きな問題となり得ます。

    【人材紹介会社向け】ヘッドハンティング時のリーガルチェックポイント

    最後に、人材紹介会社向けのヘッドハンティング時のリーガルチェックポイントをまとめました。ヘッドハンティング成立前/後の法的リスクを検討する際などに参考にしてください。

    ・引き抜きの対象は1名か、複数名か

    ・引き抜き時に人材に対して行った説明に、虚偽のものはないか

    ・転職先の企業は、もともとの所属企業の「競合」に該当するか

    ・もともとの勤務先の雇用契約書や勤務規則に定められている誠実義務/競業避止義務の具体的内容

    ・その人材が引き抜かれることによる、もともとの勤務先の損害の規模

    ・企業秘密を転職先で当該人材が漏らしてしまうリスクはないか

    実際のヘッドハンティング時には、マッチング成立時の法的リスクにどのようなものが考えられるか都度都度自社の法務部や顧問弁護士と相談することもおすすめします。

    また人材紹介マガジンを運営するagent bankでは、中小人材紹介会社の売り上げ拡大や事業運営のポイントなどについて随時相談を受け付けています。お気軽にご連絡ください。

    まとめ

    原則として、ヘッドハンティングは原則合法です。「引き抜かれる側」の労働者には職業選択の自由があり、ヘッドハンター側にとっても引き抜きは「転職支援」の一環であるためです。しかし引き抜きを実際に行う際には、気を付けるべき法的なポイントもあります。ヘッドハンティングの参考にしてください。

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