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BPOとは?人材派遣、業務委託との違い:ビジネスモデルやコスト範囲の違い総まとめ

    近年、人材派遣の代替となる外注手法として注目を集める「BPO」。厳密には「人材派遣や業務委託と何が違うのか」気になる方も多いのでは。
    また人材業界の事業者で「BPOサービスの立ち上げ」を検討する際に、必要な許認可などはあるのかも気になるのでは。
    今回は「BPOとは何か」。定義や派遣との違い、また許認可取得の必要性について解説します。

    BPOとは

    BPOとは一言で言えば「ビジネスのプロセス全体のアウトソーシング」です。アウトソーシングの一種であり、請負契約や準委任契約といった「業務委託」に該当します。

    仮に業務A~業務Dまでの4段階のプロセスで1つのビジネスが成り立っている場合、「業務Aのみを外注する」のが従来のアウトソーシングです。
    しかしこの場合、業務Aから業務Dまでプロセスが整理され、外注範囲も事前に明確化されている必要があります。この外注内容の切り出しそのものの難易度も意外と高いものです。
    BPOでは業務A~業務Dまでまとめてプロセスを受注して、受注企業がそのプロセスの整理や遂行、改善そのものに責任を持つのが「BPO」です。

    たとえばECサイトでの注文の受注から梱包、配送、問い合わせ対応といった一連の業務を考えてみましょう。
    これらの業務は総じて「EC業務」ですが、現場目線では「受注マニュアル」「梱包マニュアル」「配送マニュアル」「問い合わせマニュアル」などが個々に必要であり、マニュアルを整備したうえで外注内容を決める「そのプロセス自体」に時間がかかります。
    こうした業務の切り分けやマニュアル化、プロセス自体の効率化や実作業を全てまとめて切り出せるのがBPOです。
    この場合、EC事業者そのものはより上流の業務である「仕入れ」や「広告運用」などに専念出来ます。

    BPOと通常のアウトソーシングの違い

    前述の通り、BPOと通常のアウトソーシングには以下の図のような違いがあります。先のECの例で言えば、BPOはプロセスの整理からマニュアル化、効率化など一括して担当可能。アウトソーシングは「問い合わせ対応のみ」など部分を対応します。

    BPOと人材派遣の「契約」の違い

    BPOと混同されやすいのは「人材派遣」です。しかし「派遣」は外注の手法の1つではありますが、あくまでBPOとはまったくの別物です。
    以下の図に照らし合わせて考えてみましょう。「外注すべき業務」には派遣と業務委託(BPO)という2つのソリューションが主にあります。

    BPOは「派遣」ではないため、クライアント企業とBPO企業が派遣契約を結ぶことはありません。つまりBPO企業の現場のマネージャーや作業者に対して、クライアント企業が指揮命令権を持つこともありません。
    一方で派遣の場合、クライアント企業は派遣スタッフに対して指揮命令権を持ちます。
    両者は契約形態も「クライアント企業が持つ権利」も全く異なることを理解しておきましょう。

    BPOと人材派遣の「コスト範囲」の違い

    クライアント企業から見た場合、派遣とBPOでは「コスト範囲」も違います。
    派遣の場合、クライアント企業は「指揮命令権を持つ」ことに加え、派遣社員がオフィス設備などインフラも使用します。総じて「派遣スタッフの費用そのもの」に加えて、マネジメントコストが発生します。
    一方でBPOの場合、プロセスを丸ごと外注するためコストとしては「業務委託費用」に一本化されます。

    事業規模に対して正社員数が少ない企業に対して、業務の外注を提案する場合は「BPO」の方が関心を持ってもらえる可能性が高いでしょう。目に見えづらい「マネジメントコスト」などを気にする必要がなくなるためです。

    BPOサービスの立ち上げに派遣業、人材紹介業の許認可取得は必要?

    結論から言えば、いずれも必要ありません。BPOはクライアント企業に対して人材紹介をするものではなく、派遣契約を結ぶものでもないためです。

    BPO 派遣
    契約形態 請負契約または準委任契約 労働者派遣契約
    期間 契約期間終了まで 3ヶ月~半年程度のスパン
    指揮命令 不可(BPOベンダーが指示を行う) 可能

    中長期的には人材紹介業の免許も取得がおすすめ

    BPOベンダーとして事業を行う場合、派遣業や人材紹介業の許認可取得は必要ありません。しかし中長期的には人材紹介業の許認可取得がおすすめです。
    なぜならばBPOベンダーとして多くのクライアントと関わる中で、「正社員不足」などの相談を受けることもあるでしょう。自社が紹介業の免許を保有していれば、正社員の紹介も行い「BPO」「人材紹介」の二本立てで収益を上げていくことができます。
    「外注」「内製」の2つのニーズに自社だけで応えることができるようになるため、会社の収益基盤が強くなります。

    まとめ

    今回は「BPOとは何か」や「BPOと人材派遣の違い」を解説しました。BPOは「プロセス全体をアウトソーシングしたい」といった場合に適した選択肢であり、派遣よりもソリューションとして適しているケースも多いです。
    一方でBPOサービスは、クライアントからすれば「現場に対する指揮命令権を持てない」という欠点があります。クライアントとの信頼関係をどのように築くか、コミュニケーションは大きな課題となるでしょう。
    逆に言えば自社と関係が深い企業が多く存在する状況であれば、BPOサービスと人材紹介をセットで展開することで収益基盤は強くなります。中期的目線として、人材紹介の許認可取得も目指すといいでしょう。

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