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人材派遣
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派遣業界がブラックと言われる理由 – 選ばれる「派遣会社」の条件と現場の改善策

    派遣業界は時間外労働などが長年問題視されてきた業界でもあり、しばしば「ブラック」と言われています。

    一方で人材ビジネス3業界(人材派遣業、人材紹介業、再就職支援業)のうち、派遣業は6兆6,800億円(2019年度)で最も大きな市場規模。第2位の人材紹介業は3,080億円(同)であり、人材派遣と人材紹介には市場規模の面で大きな差があります。

    背景には「派遣」が採用手法として、採用コストがまあまあ低く、定着率も高くはないが低くもないという「空いたポジションの穴埋めにちょうどいい」中間的な位置づけにあることが挙げられます。

    このように派遣業界には国内の労働市場を、人的資源の面から強く下支えしている側面があります。逆に言えば派遣業界でより働き方改革が進み、あっせんしているスタッフへの待遇改善や正社員登用のサポートが進めば「ブラック」という風潮は少しずつ薄まっていくのではないでしょうか。

    今回は派遣業界がブラックと見なされがちな理由と、派遣業界の担当者向けに「改善策」を解説します。

    派遣業界がブラックと見なされがちな理由 | 時間外労働や社会保険など

    まずは派遣会社や、派遣社員の就業先企業が「ブラック」と見なされやすい理由を4つに分けて紹介します。

    一言で言えば「労働環境があまり良くない」ことに加えて「派遣元のサポートが十分ではない」ことがブラックという声が高まる要因になっていると言えます。

    離職率が高い/定着率が低い傾向にある

    平成 29 年の厚生労働省の調べでは、一般労働者の離職率は11.6%。対して、パートタイム労働者は25.5%と離職率は高止まりしています。

    派遣労働者は無期雇用のケースもあれば、有期雇用で時給制のケースもあるため「一般労働者」「パート」の性質を併せ持ちます。両者の平均値を採ると、15%~20%程度の離職率があると推定されます。

    15%~20%の離職率とは、極めて高い水準です。たとえば日本の公務員の離職率は地方公務員は1%、国家公務員は5%と言われています。派遣は「派遣社員が長きにわたって安定的に働ける環境」とまでは言い切れないのが現状でしょう。

    労働条件と実際の業務が一致していない

    派遣社員の「業務範囲」に関する取り決めを、就業先の上司等が十分に理解できていないケースもあります。

    派遣社員の契約書には担当する業務内容、就業する事業所、就業日、派遣期間、就業時間、休憩時間、時間外労働、休日労働などの労働条件が細かく記載されます。この契約書に含まれない業務などには、派遣社員は応じる必要はありません。

    一方で契約社員などであれば、契約書に内容の定めが無くとも「書類印刷」「電話対応」「来賓対応」など雑務も幅広くこなすのが一般的です。

    そして「契約社員」と「派遣社員」の区別がついていない就業先の担当者も、一部にいることも残念ながら現状です。こうした「派遣の働き方への無理解」はブラックという印象を、働き手に与える一因です。

    社会保険への加入義務を正しく認識していない企業担当者が一部いる

    派遣社員でも一定の要件を満たせば、社会保険への加入が可能です。ただし社会保険の加入条件は、派遣社員にとっても派遣会社にとっても「ややこしい」のもまた事実です。

    たとえば派遣社員は、健康保険に「雇用契約期間が2ヵ月を超える、もしくは2ヵ月を超える見込みがある」という条件を満たす場合に加入可能です。

    しかし「登録型派遣」で派遣社員として働く場合、派遣会社と最初に雇用契約を結ぶ「1ヵ月間だけの契約期間」になるケースもあるでしょう。

    こうした「どのような条件を満たすと、どのような派遣社員が社保の対象になるか」は担当者レベルでも認識があやふやなケースが稀にあります。

    条件を満たしているにも関わらず社保に未加入の場合、派遣社員側の損失は極めて大きいです。担当者レベルで社保に関する認識が曖昧だと「この会社は信頼できない」という印象を持ってしまうこともあるでしょう。

    派遣社員に対する派遣元からのサポートが薄い/皆無

    派遣社員に対して、派遣元は様々な義務を負います。たとえば派遣元責任者は「派遣社員からの苦情対応」「派遣先との連絡調整」「派遣元管理台帳の作成」などが責務です。

    また近年では派遣会社に対し、派遣社員への教育訓練機会の提供も義務付けられるようになりました。

    しかし、後述するように派遣は薄利のビジネスです。よって派遣会社側も1人の社員が数十人の派遣社員の管理を担当するといったことも珍しくなく、サポートは手薄になりやすいです。こうした「本来提供されるはずの苦情対応や教育訓練機会の提供が、機能していない」といった不満も現場レベルでは少なくありません。

    派遣現場の改善が進まなくなりやすい理由 | ビジネスモデルが薄利

    派遣現場の改善が進まなくなりやすい大きな理由は、一言で言えば「派遣社員に対するサポートが手薄になりやすいため」です。
    手薄な状況が生まれる背景には、派遣のビジネスモデルの収益性の問題があります。


    たとえば「正社員の人材紹介」であれば、人材紹介会社は紹介する求職者に面談や教育訓練機会の提供などは提供の義務がありません。
    一方で派遣会社は、派遣社員の管理が義務付けられます。つまり派遣は「管理コストが高いビジネスモデル」です。

    引用元:一般社団法人 日本人材派遣業界

    派遣先企業から派遣会社に支払われる報酬の7割は、派遣社員の賃金になります。そして残り3割のうち、ほとんどの金額は社会保険料や諸経費となり、派遣会社の利益は「1.2%程度」です。
    薄利のため、1人の担当者が数十人の派遣社員を管理するといった状態が生まれます。
    よって近年は収益性が高い「人材紹介」に事業を横展開する派遣会社も増えています。

    派遣現場の労働環境の改善策

    「苦情への対応」「教育訓練機会の提供」などは派遣元に法的な義務が課されています。また社会保険は、派遣社員が「加入資格があるのに加入していない」場合に大きな問題があります。
    よってこれらの法的な義務に、派遣会社は「抜け漏れなく対応する」体制作りが必要です。
    派遣会社向けのSaaSを導入するなどして管理コストを低くして、少ない人員でも現場が回る仕組みを作るのも一つの対策です。

    選ばれる派遣会社になるには? | 正社員登用や無期雇用へのルートを提示しよう

    派遣会社が「ブラック」と呼ばれる原因は、突き詰めると「派遣会社が行うべき派遣社員の管理が徹底されていない」ことにあります。
    そのため選ばれる派遣会社になるには、派遣会社側には採るべき道が二つあります。

    1.SaaSの導入などによって派遣社員への管理が行き届くような工夫を行う
    2.正社員登用や無期雇用へのルートを派遣社員に提示する
    派遣のビジネスモデルの欠点をカバーするという点では、「正社員登用」の斡旋は1つの大きなソリューションです。
    月々の派遣手数料の収入が小さい反面、派遣社員の管理コストは大きいという問題を「正社員登用して、紹介手数料を受け取る」形に転換していくことで解消できるためです。
    こうしたビジネスモデルは「紹介予定派遣」と呼ばれます。紹介予定派遣のビジネスモデルや手数料の詳細は以下で詳しく解説しています。

    まとめ

    派遣会社がブラックと呼ばれる要因を解説しました。ブラックという声が上がる背景にはj派遣業界の構造的な問題と、それによって派遣社員への適切な管理も行き届かないという現状があります。
    これらを解消するためには「紹介予定派遣」の導入などによって、ビジネスモデルを少しずつ転換していく工夫も求められるでしょう。

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