派遣社員の契約終了のタイミングはいつ?更新時や更新を希望しない場合の注意点
一般的に派遣社員は「3ヶ月」「6ヶ月」など雇用期間の定めがあるため、同じ派遣先で働き続けるには何度も契約更新を繰り返す必要があります。
派遣社員にとっては「契約終了する場合、いつまでに告知されるのか」。
人事担当者にとっては「いつまでに終了を告知する必要があるのか」。また逆に「直接契約に切り替えるにはどうすればいいのか」気になるところですよね。
今回は派遣社員の契約終了について、派遣社員及び人事担当者向けに解説します。
派遣社員の契約更新・契約終了はいつ決まるの?
派遣社員の契約期間には法的な決まりはありませんが、多くの場合、3ヶ月ごとに更新されます。
派遣会社からは契約終了の1ヶ月以上前に、派遣スタッフに今後の継続雇用の意向を確認する連絡が行われます。派遣スタッフと派遣先企業が更新に同意すれば、同じ場所で引き続き働くことができます。
契約開始~満了のスケジュール
契約開始~満了の一連の流れは、以下の通りです。
1.人材派遣会社に履歴書等を提出して登録
2.希望条件のお仕事案内を受け、派遣先企業の詳細を確認し、面談
3.派遣先企業と合意したら就業開始
4.契約更新または終了(満了)の合意
雇用契約期間の満了が近い場合、契約を更新して引き続き働くことができます。一方で契約終了する場合は、最終日をもって満了となります。契約を更新する場合でも、契約を終了する場合でも、人材派遣会社と派遣スタッフの両者が合意する必要があります。
契約終了(満了)の場合は30日前までに会社側が告知する義務がある
労働基準法第20条や、厚生労働省が定める「労働契約の終了に関するルール」により、派遣の契約満了は「30日前」までに会社側が派遣スタッフに告知する義務があります。
派遣スタッフ側は契約終了する場合、次の仕事探しはすぐに始めることが可能です。派遣の仕事と並行して仕事探しを行うこともできますし、残った有休をすべて使った上で休みを求職活動に充てることもできます。
契約満了と契約終了(解除)の違い
厳密には派遣スタッフと企業の契約終了には、「満了」と「終了(解除)」の2通りがあります。
まず「満了」は契約期間終了を意味します。たとえば4月1日から6月30日までの場合、6月30日に契約が終了します。
もう1つは、契約期間中に契約が解除された場合。派遣では基本的に契約期間が終わるまで働くことが前提ですが、勤務態度の悪さやカルチャーマッチングを理由に途中で契約解除となってしまうこともあります。
途中解除の場合でも「30日前」までの告知が原則として行われますが、そもそも会社側が派遣契約を打ち切るシチュエーションは深刻なものです。会社側と派遣スタッフ側が双方に弁護士を立てた話し合いに発展するケースもあり、まず話し合いが実質的に優先されるでしょう。
契約満了・契約終了と派遣の3年ルールの関係性
派遣スタッフと企業側が良好な関係で、長く働き続けたい場合に注意が必要なのが「派遣の3年ルール」です。
「派遣の3年ルール」とは、同じ職場/部署での派遣期間が最大3年までという制限のことです。ただし、優秀な派遣社員については、3年を超えて引き続き派遣先で働かせたいと考える企業も多いです。
この場合、以下の4通りのいずれかの対応が必要になります。
・部署を異動する
・無期雇用の派遣社員への切り替え
・派遣先のパート・アルバイト扱いに変更する
・派遣先で正社員となる
いずれの場合でも、現行の派遣契約は終了したうえで、新たな形の契約に移行します。
派遣の3年ルールは、2015年の法改正によって制定された比較的新しいルールです。ルールの存在は把握していても、実際に自社の派遣スタッフに適用した経験が無い担当者の方もいるでしょう。
派遣の3年ルールの対象となるスタッフを引き続き雇用するために、どの手段を選ぶべきかお悩みの方は以下の記事もあわせてお読みください。
派遣の契約満了・契約終了に関してよくある質問
【派遣社員側】派遣契約が終了する場合、次の仕事探しはすぐにして良い?
問題ありません。契約終了が決まったタイミングで残りの有休をすべて使い、職探しをする方も多いです。
【派遣社員側】派遣契約が終了する場合、失業保険は受け取れる?
離職日までの2年の間に、雇用保険への加入期間が1年以上あれば、自己都合での契約終了でも、会社都合での契約終了でも失業保険を受け取れます。なお会社都合での契約終了の方が、給付を受け取れる期間が長くなるので少し有利です。
・契約満了が「会社都合」の場合
待機期間:なし
失業保険の給付期間:最大240日
・契約満了が「自己都合」の場合
待機期間:なし
失業保険の給付期間:最大150日
会社都合での契約終了は「契約満了時に更新を希望したものの、退職扱いになってしまった」状態です。自分がこの条件に当てはまるかはハローワークに直接相談の上、確認することをおすすめします。
【人事担当者側】派遣契約終了後、直接雇用に切り替えることは可能?
可能です。ただし派遣スタッフが登録している派遣会社側が、規約で直接契約への切り替え時に紹介手数料の支払いを定めているケースがあります。念のため、派遣会社の規約に事前に目を通しておきましょう。
【人事担当者側】直接雇用に切り替える場合のメリットやデメリット
派遣スタッフを直接雇用に切り替える場合、最大のメリットはその人材に任せられる業務の幅が広がることです。
派遣の活用には「契約以外の業務は依頼できない」「派遣禁止業務がある」「就業期間に制限がある」といったデメリットがあるため、上流の業務を幅広く任せたい場合は直接雇用に切り替えた方が良いでしょう。
一方で直接雇用に切り替えると「法的に解雇が難しくなる」「固定費が増大するため、損益分岐点が高くなる」といったデメリットもあります。
まとめ
派遣の契約終了について、派遣スタッフ側の視点と人事担当者の視点、それぞれを交えて解説しました。派遣スタッフとの契約終了や直接雇用への切り替えの検討時に参考にしてください。
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