採用企業と求職者が直接やり取りをする「中抜き」の原因と対策
ビジネスにおけるお金の「中抜き」とは
中抜きとは、仲介事業者やプラットフォームを介さずに「売り手」「買い手」が直接取引することです。中抜きが典型的に発生しやすいビジネスのひとつに「クラウドソーシング」があります。発注者とクラウドワーカーは業務を通じて直接連絡を取り合う機会が多いため、連絡を取り合う中で相互に信頼関係が醸成されれば「仲介プラットフォーム」を介した取引の動機が失われやすいです。つまり「マッチング」「仲介」などの事業者にとって、中抜きは予防策を講じるべき収益機会の損失を意味します。
「中抜き」が発生する基本的な原因
中抜きが発生する基本的かつ根本的な原因には、「買い手」「売り手」がその仲介事業者やプラットフォームにさほど付加価値を感じられない状況に陥っていることが挙げられます。多くの場合「買い手」「売り手」は、初回の取引では仲介事業者のサービスに満足します。しかし初回の取引で満足したとしても、2回目・3回目の取引でも同じように満足するとは限りません。「同じサービス」に高い料率の手数料を払い続けることに、多くの企業は納得感を感じられなくなるためです。
中抜きに気付かず対策をしないとどうなる?
中抜きに気付かず、対策をしないとまず「売り手」「買い手」の直接取引が様々な形で進みます。たとえば「クラウドソーシング」のような人材マッチングの場合は、「売り手」「買い手」が直接取引をすることで仲介プラットフォームは収益機会を失います。また「売り手」「買い手」が手数料がより安いプラットフォームへと乗り換える動きも進むでしょう。つまり「中抜きが起きる」ことは自社のプラットフォームの付加価値が低下していることを認識し、様々な対策を先んじて行っていく必要があります。
【人材紹介会社向け】紹介事業における「中抜き」の例
人材紹介会社でよくある「中抜き」の例には、フリーランス向けの人材紹介が挙げられます。正社員の人材紹介は理論年収の30%が相場ですが、フリーランス向けの人材紹介では月当たりの報酬の20%〜30%程度が相場です。フリーランスの月収が60万円だとした場合、人月当たりの人材紹介会社の手数料は12万円〜18万円。フリーランス人材そのものを獲得するための広告費を考えると、単月では赤字になりかねません。つまり数か月〜1年などの長期にわたる発注によって収益を得る「LTV」を重視したビジネスです。しかし「売り手」「買い手」にとっては、直接連絡を取り合うようになると紹介会社が介在する余地は小さく「20%〜30%の手数料を取られる」ことへの納得感は低下しやすいです。よって人材紹介会社に黙って直接取引に切り替えるケースも出てきます。
【人材紹介会社向け】中抜きの予防策は
緊急性
まず、そもそも緊急性の高い取引では「中抜き」は発生しづらいです。中抜きが発覚してトラブルになるリスクを、緊急的に人材を確保したい企業は避けるためです。人材紹介会社を利用する多くの法人は、高品質な人材をできれば、短期のうちに確保したい企業です。よってほとんどのケースで「初回取引」では中抜きは発生しません。
「継続的な取引が発生するかどうか」検討する
続いて「継続的な取引が発生するかどうか」検討すると良いでしょう。正社員採用の人材紹介ではそもそも1回しか取引が発生しない企業も多く存在します。よってその場合は中抜きを極度に恐れることはありません。一方で相手が大企業であったり、採用形態がフリーランスの場合は継続的な取引に発展する可能性が大きいです。何らかの条件を満たした場合には手数料の料率を引き下げるなど、大口取引向きのプランを考えるのは手です。
付加価値を充実させる
突き詰めると、中抜きは「自社の仲介に付加価値が低下している」ことによって起きるものです。対企業、対個人に対して単なる求人の紹介にとどまらないサービスの提供を検討する価値があるでしょう。
まとめ
人材紹介会社にとって「中抜き」は収益機会の損失に繋がる、重大な問題です。とはいえ中抜きの発生原因は、もしかしたら「自社による仲介に対して顧客が価値を感じづらい状態が生まれている」ことによるものかもしれません。つまり、中抜きの根本的な予防策は「仲介の価値を高める」ことにあります。人材紹介事業の売上拡大やビジネスモデルの見直しなどを行いたい担当者の方は、ぜひ人材紹介マガジンを運営する「Zキャリア プラットフォーム」にご相談ください。人材紹介事業の立ち上げや売上拡大について、多くの人材紹介会社の立ち上げをサポートしてきたプロがお手伝いさせていただきます。
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