施工管理の採用に特化した人材紹介業の立ち上げ!運営の流れと注意点
人材紹介事業の立ち上げを検討するにあたって、「建設業の人材紹介は法的に禁止されている」と各種ウェブサイトに目を通したり、社内の法務部などからの指摘を受ける中で認識している方も多いでしょう。しかし、実際には「施工管理技士」などの職種であれば建設業関連の人材紹介を運営するのは問題ありません。とはいえ運営に当たっては、いくつかの注意点もあります。今回は施工管理の採用に特化した人材紹介業の立ち上げ・運営について解説します。
施工管理(工事管理)に特化した人材紹介とは?
施工管理(工事管理)に特化した人材紹介の注意点などを解説する前に、まずは前知識として概要を解説します。
施工管理(工事管理)の概要
施工管理の仕事とは、一言で言えば工事現場の「統括役」です。仕事内容は主に以下の7つに分けられます。人材紹介を行うにあたり、以下の仕事内容についても知っておく必要があります。仕事内容の詳しさと紹介の質の高さは比例しますので、具体的にどんな仕事をするかは入念に情報収集していきましょう。
・【1】建築計画の策定
・【2】施工計画の作成
・【3】工程管理
・【4】品質管理
・【5】安全管理
・【6】コスト管理
・【7】書類管理
特に大規模な工事現場で、施工管理を行うには「建築施工管理技士」の資格が必要ですが、実務未経験でも施行管理技士の補佐として働くことができます。施工管理の有無は、紹介業務の禁止に影響しません。詳しくは後ほど解説します。
施工管理(工事管理)の求人状況・有効求人倍率
建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は2024年6月で6.26倍です。
つまり施工管理(工事管理)は極めて採用ニーズが多い職種と言えるでしょう。
※出典元:「参考統計表1」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001280194.pdf)(参照2024-08-28)
「建設業の人材紹介」は法的に禁止されている?
冒頭でも書いた通り、建設関連の人材紹介は法的な規制の対象でもあります。ただし厳密に言うと、紹介する人材が「作業員なのか」「施工管理なのか」などで扱いが違います。
より詳しく見ていきましょう。わかりやすく言い換えると「現場で作業をする求人」かどうかで紹介できるかが別れます。
有料職業紹介事業で禁止されている「建設業」の範囲
禁止の対象となっているのは、以下に該当する業務です。
・建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、 破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)
つまり直接的に土木、建築の現場などで「建設」「改造」「保存」「修理」「変更」「破壊」「解体」などを担当する作業員を対象とした有料職業紹介事業が禁止されています(職業安定法32条の11)。
建設業の事務や施工計画等に関する求人は紹介が可能
直接的に現場で建設や解体などに携わらない、建設関連の事務職や施工計画の策定などを行う人員については、有料職業紹介事業の対象としても問題はありません。
つまり「現場で力仕事をする求人」かどうか、が大きな分かれ目です。現場作業の求人の紹介は禁止されていますが、建設業界の事務や施行管理は、紹介が可能です。事務的な仕事なので、女性にも紹介がしやすいのが特長です。
【例】施工管理技士を有料で紹介するのは問題なし
施工管理技士であれば、現場で直接建設や解体を行う作業員では無いため「有料職業紹介事業」として紹介しても問題はありません。
ただし実務未経験者を紹介する場合、募集対象のポジションが「施工管理技士」であっても入社後の当面の作業範囲が「現場での作業員相当」になってしまうリスクが考えられます。つまり施工管理技士を対象とした有料職業紹介事業を行う場合、「現場の実態」も紹介会社サイドは正確に把握する必要があるでしょう。
施工管理の採用に特化した人材紹介業の立ち上げ・運営の流れ
施工管理の採用に特化した人材紹介業の立ち上げ・運営の流れは以下の通りです。
以下4ステップに分けて解説します。
その①人材紹介業に関する許認可の取得
人材紹介業は開業にあたって、許認可取得が必要な業種です。人材紹介業の許認可取得には資産要件や厚労省の要件を満たしたオフィス選定など、細かな規定が多数存在しています。
こちらの記事で許認可取得について、網羅的に解説しているため参考にしてください。
その②求職者集客
開業後は、求職者集客と法人営業を並行的に進めていく形となります。施工管理の求職者集客ではハローワークに求人を出したり口コミで人を集めるほか、求人検索エンジンへの広告出稿や業界専門誌などを通じた募集などがメインとなるでしょう。
その③法人営業
法人営業も同時に進めましょう。なお人材紹介会社の立ち上げ初期の段階では営業のリソースそのものが限られ、法人営業と求職者集客をどちらも進めるのが難しいケースがあります。そうした際は人材紹介会社向けの「求人データベース」を用いて、データベース上の施工管理関連の求人案件に対して自社で集めた求職者をマッチングさせるという手法があります。
その④求職者と企業のマッチング
法人営業と求職者集客を通じて、求職者と企業の最適なマッチングを行います。両者がマッチング成立し、入社すると採用手数料が支払われます。手数料の料率の目安は、一律50万円から100万円程度で設定されていることが多いです。ただしこれらの金額は企業やエージェントによって異なるため、実際の契約内容に応じて変動する可能性があります。
施工管理の採用に特化した人材紹介業の運営の注意点
施工管理の採用に特化した人材紹介業の運営の主な注意点を2つ紹介します。
注意点①実質的に「現場で直接作業する人員」の紹介をしていないか?
まずは「実質的な作業員の紹介になっていないか」という点です。募集ポジションが施工管理なら「実務未経験の場合、まずは現場で建設や解体に従事して経験を積む」という場合、実質的な作業員の紹介になってしまうおそれがあります。
同じ建設業でも作業内容や職種の違いによって「禁止業務か否か」が異なるのが、建設業の人材紹介の難しさです。自社の顧問弁護士や法務部とよくすり合わせ、万が一にも法律に抵触することが無いように注意してください。人材紹介マガジンを運営する株式会社ROXXが提供するZキャリア プラットフォーム(旧agent bank)では経験豊富なスタッフが、人材紹介会社様の事業運営を強力にサポートします。
まとめ
今回は施工管理に関連する人材紹介について解説しました。採用ニーズが極めて多い職種のため、人材紹介で取り扱う職種としても十分に再現性があり、利益が確保しやすい領域です。
一方で建設業の人材紹介は法的に禁止されている範囲もあるため、業務の実態の把握や「万が一にも法律に抵触しないための対策」も必要でしょう。人材紹介マガジンの運営元の株式会社ROXXが運営するZキャリア プラットフォーム(旧agent bank)では施工管理職をはじめ、営業職や事務職、未経験系のインフラエンジニアなど幅広く求人のご用意がございます。ぜひご相談ください。
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