求人広告代理店を起業(立ち上げ)する方法 – 運用型広告がおすすめ
今回は求人広告代理店を起業(立ち上げ)する方法について、解説します。
日本の企業数は421万社。そのうちの99%以上が中小企業です。採用ニーズは底堅く存在し、求人情報提供サービス市場の2020年度の市場規模は4,150億円。
なお前年度はコロナ前ということもあり、7,000億円越えの市場規模。人材業界の中でも人材派遣に次ぐ市場規模です。立ち上げ方法を1つ1つ解説します。
求人広告代理店を起業(立ち上げ)するには?
求人広告代理店を起業するためには、「法人立ち上げ」と「市場でのポジショニングの検討と事業計画」がそれぞれ必要です。
法人の立ち上げ手続き自体は、他の業種と変わりません。こちらの記事で解説しているため、参照してください。
よって以下では、市場の詳細についてより詳しく解説します。
求人広告は「純広告」「運用型広告」に分類される
求人広告は、大きく分けて「純広告」「運用型広告」に分類されます。
分類 | 概要 | メリット/デメリット |
純広告 | 転職サイトや求人情報誌への期間を定めた広告出稿。バナー広告や期間限定コンテンツ掲載などが主流 | ・サイトや誌面の目立つ箇所で露出が可能
・バナー等を見た読者が一人も求人に申し込まなかったとしても広告費が発生する |
運用型広告 | 主にクリック課金型の広告掲載。成果報酬型に近い課金形態が特徴。Indeedなど求人検索エンジンへの広告出稿が主流 | ・主にクリック課金型のため、確実に求職者の求人閲覧に繋がる
・クリックごとの課金額が高騰し、純広告より高くなるケースも稀にある |
純広告は転職サイトや求人情報誌の「広告枠」を自社が何らかの形で所有していることが前提です。
新たな代理店の立ち上げを目指すなら、運用型広告に注力するのがより現実的でしょう。
立ち上げに資格は必要?
求人広告代理店の立ち上げに資格は不要です。
ただし自社で扱う広告や製品によっては、ベンダー独自の「認定パートナー制度」などが設けられていることも。
また特に運用型広告の場合、資格は不要ですが「運用スキル」は必須。求人広告に限らずとも、数年程度の運用型広告の実績があると望ましいでしょう。
求人広告代理店の基本的なビジネスモデル
基本的なビジネスモデルは以下の通りです。純広告の場合は主に大企業がクライアント、運用型広告の場合は地方の中小企業などでも比較的気軽に取り組めるでしょう。
純広告の場合
求人情報誌や転職サイトの広告枠を、掲載期間を定めて企業に販売するモデルです。
掲載枠や期間、見込まれるインプレッション数によって相場は大きく変わります。目安としては1か月で数十万円~数百万円前後です。
出稿する企業にとって、純広告は「先行投資」に該当します。出稿したとして自社の求人を読者が確実に閲覧するとは限らないためです。よって先行投資に耐える資金的余裕がある企業が、主なクライアント。必然的に出稿主は大企業に偏りがちです。
運用型広告の場合
運用型広告の場合、求人検索エンジンへの広告掲載が主。代理店は広告掲載と運用を代行します。
出稿したとしても「クリック数がゼロ」の場合、課金が発生しないことが特徴。求人情報の確実な閲覧に繋がります。
クリック単価の相場は25円~1000円程度。月額にかけられる広告費が「10万円」とした場合、10万円を超えた請求が発生することはありません。
代理店によるクライアントへの請求方法は様々。代理店が広告費を肩代わりし、後日、広告費に手数料を上乗せした金額を請求するパターンが代表的。その他にも「月額のコンサルティング費用のみ受け取り、クライアントが直接広告費の支払いは行う」パターンもあります。
立ち上げのために必要な準備
立ち上げのために必要な主な準備は以下の通りです。
純広告は「広告枠仕入れ」が必要
純広告の場合、広告枠の仕入れが必要です。アクセスのあるウェブメディアの運営者に広告枠の仕入れが可能か問い合わせるパターンが多いです。また地方の場合、地元で一定の発行部数がある求人誌の編集部に問い合わせることも。
運用型広告は「求人掲載をしたい法人への営業」が必要
運用型広告の場合、掲載先のプラットフォームは「求人検索エンジン」です。出稿場所自体はあるため、法人営業の優先度が高いです。
求人開拓のノウハウは、こちらでより詳しく解説しています。
求人広告代理店を立ち上げるメリット・デメリット
求人広告代理店を立ち上げるメリットは、少ない初期投資で人材マーケットに参入できることです。
人材派遣業や人材紹介業では、国の許認可が必要。資本金やオフィス要件が細かく定められています。一方で求人広告代理店では、特に許認可は求められません。
デメリットは人材業界の業種としては、マッチング当たりの収益が小さいことです。アルバイトの求人広告などの場合、掲載が確定しても広告料金は10万円程度ということも少なくありません。
求人広告代理店の将来性
求人広告の出稿ニーズは、景気に大きく左右されます。コロナ前とコロナ後では、求人広告市場は40%縮小しています。
このことは「採用ニーズ」は底が堅くとも、求人広告を出稿するための予算を安定的に用意できるクライアントは多くは無いことを意味しています。
つまり「先行投資」の意味が大きい純広告の市場は中期的に見て縮小に向かうでしょう。一方で運用型広告市場はまだ市場の歴史が浅く、発展の可能性があります。
運用型広告のノウハウは人材紹介にも応用可能
運用型広告のノウハウは求人広告だけでなく、人材紹介にも転用可能です。Indeedなど求人検索エンジンへの広告出稿は、求人広告業界だけでなく人材紹介業界でも一般的に行われるためです。
求人広告代理店が人材紹介業の許認可も取得し、多角化によって売上を増大していくというシナリオは十分に考えられるでしょう。
まとめ
求人広告代理店の立ち上げについて解説しました。2022年現在、立ち上げを行うのであれば「運用型広告」への注力がおすすめ。ノウハウは人材紹介などへの横展開にも活用できます。
※当サイトに掲載されている記事や情報に関しては、正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。
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