IT業界未経験の人材のマッチングに特化した人材紹介会社の立ち上げ方
※経済産業省のシミュレーションでは、2030年には40~80万人のIT人材が不足すると言われています。そのため入社後の教育を前提に「未経験人材」を採用するIT企業も多数あります。そのためIT業界未経験の人材のマッチングを手掛ける人材紹介会社の開業を視野に入れ、IT未経験の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は「IT業界未経験の人材のマッチングに特化した人材紹介会社の立ち上げ方」を解説します。
※引用元「参考資料 (IT人材育成の状況等について)」(経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課)(https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s03_00.pdf)(参照2024-08-28)
人材紹介会社のビジネスモデルの基本
人材紹介会社のビジネスモデルの基本は、求職者と企業をマッチングし、入社した場合に成功報酬型で紹介手数料を受け取る仕組みです。求職者に対しては、企業の紹介に加えてキャリアカウンセリングなどのサービスを提供します。そして企業に対しては、候補者の紹介や面談日の調整などのサービスを提供します。また人材紹介会社が、企業の採用戦略についてコンサルティングを行うケースもあります。
IT業界では「未経験人材」にも紹介ニーズがあるのは何故?
求職者と企業のマッチングを成功報酬型で行うというビジネスモデルの関係上、人材紹介会社側の課題となるのは「どの求職者に対して支援を提供するか」です。そして近年は、IT業界での実務経験がないフリーターや第二新卒、20代後半の若手に対しても支援を提供する人材紹介会社が一定数存在します。その背景には冒頭でも触れたように、IT業界が人手不足の傾向が強まっていることに加え、未経験者向けの研修を充実させている企業も増加していることが挙げられるでしょう。
紹介ニーズがある職種は?
IT業界で、実務未経験の人材の紹介ニーズがある主な職種は以下の通りです。
・プログラマー
・営業職(フィールドセールス、インサイドセールス)
・ヘルプデスク
プログラマーの人材紹介の場合、実務未経験の人材を集客したうえで、事前に研修を実施したうえで企業に紹介するケースもあります。この場合、実務未経験ながらも一定のIT知識がある人材を紹介することで、企業の採用意欲があがる点がメリットです。営業職やヘルプデスクに関しても、営業先でのトークや問い合わせ対応の際に一定のIT知識が求められます。またこれらの職種でも、進捗管理や効果計測のために積極的にSaaSを利用するケースが増えており、ある程度複雑なITサービスを抵抗感なく使いこなせることは大切です。
そのため、たとえ非プログラマーの職種であっても「その実務未経験の人材は、本当にIT業界との親和性がありそうか」は人材紹介会社側で面談時に判断すべきでしょう。
IT業界未経験の人材のマッチングに特化した人材紹介会社の立ち上げ方
IT業界未経験の人材のマッチングに特化した人材紹介会社の立ち上げの、主な流れを5つに分けて解説します。
①IT業界の「どの職種」をメインの対象とするか決める
まず前提として、IT業界の「どの職種」をメインの対象とするか決めましょう。たとえばプログラマーをメインの対象とするのか、ヘルプデスクなどカスタマーサポート系の職種をメインの対象とするのかで後の集客先や法人営業先も異なってくるためです。ちなみにプログラマーをメインの対象とする場合、法人営業先としてはSES企業やSIerなどが有力でしょう。ヘルプデスクなどの場合は、自社サービスを運営しているIT企業やコールセンターを所有している企業などが営業先になり得るでしょう。
②人材紹介業の許認可申請を行う
人材紹介業は国の許認可事業の1つのため、開業に当たっては許認可申請が必要となります。「財産要件が一定の登録基準を満たしていること」「職業紹介責任者が在籍していること」など様々な要件が定められており、それらを満たした状態で、所在地の都道府県の労働局に申請する必要があります。人材紹介業の許認可申請については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「【2023年最新版】人材紹介の免許取得のすべて!許認可申請完全マニュアル」(人材紹介マガジン)(https://media.agent-bank.com/categories/licence/2021menkyo)(参照2024-08-28)
③未経験人材の集客方法を検討する
続いて求職者と企業を、それぞれ集客する必要があります。まず求職者(個人)については、未経験人材に対して自社の人材紹介サービスを広告しましょう。
広告手段としては、求人検索エンジンへの求人掲載やオフラインイベントなどを通じた集客などが考えられます。
④法人営業を行う
求人者(企業)に対する法人営業も必要です。法人営業には、オウンドメディアや広告などを通じた「プル型営業」と、テレアポを通じた「プッシュ型営業」があります。
人材紹介会社を新規に立ち上げた場合、まずは少額からリスティング広告やSNS広告などを出稿し、法人リードの獲得を目指しつつ、それらが上手くいかなかった場合も想定して別途営業リストを作成してテレアポを行うのが良いでしょう。
また法人営業無しで即時に求人獲得をしたい場合は、人材紹介会社向けの求人データベースを利用すると良いでしょう。求人データベースを活用すると、データベース上の求人と自社で保有する求職者をマッチングすることで人材紹介が可能です。
⑤マッチングを行う
求人者と求職者がそれぞれ集客で来たら、両者をマッチングします。マッチングが成立し、求人者が入社するタイミングで成功報酬型で手数料が支払われます。
人材紹介会社の許認可を取得し、実際に開業してから一件目のマッチング成立までには数か月程度かかることも珍しくはありません。そのためはじめのうちは、現実的にはキャッシュフローを意識して手元の資金に余裕があることも大切です。
IT業界未経験の人材のマッチング成功時の紹介手数料相場は?
一般的な人材紹介の手数料相場は、紹介した人材の理論年収の30%前後です。その人材の理論年収が400万円の場合、100万円~120万円前後が目安となります。ただし実務未経験の人材を紹介する場合、採用する企業側にとっては「早期離職のリスクがある」「研修実施後に本当に自社の戦力になるか未知数」といった懸念点もあるものです。そのため企業側の負担感を軽減するため、一律30万円から50万円程度で設定されていることが多いです。ただしこれらの金額は企業やエージェントによって異なるため、実際の契約内容に応じて変動する可能性があります。
主な未経験人材の集客方法
最後に主な未経験人材の集客方法を3つご紹介します。
①求人検索エンジン
まず1つ目は求人検索エンジンです。具体的には求人検索エンジンに、自社で保有している求人を公開し、エントリーがあった場合に個別に面談したうえで紹介先とマッチングするものです。求人検索エンジン内で広告出稿も行うことで、よりエントリー数を伸ばしやすいです。ただし求人検索エンジンに求人を公開する場合、紹介先企業の社名の掲載が必要となり、企業の許可なく社名を使用するのはNGです。実際の活用時には利用規約や求人検索エンジン内の広告の規定などもチェックし、かつ法務部ともリスクを精査しましょう。
②オフラインイベント
勉強会やセミナーなどのオフラインイベントをポスティングやその地域の新聞への広告出稿などを通じて周知し、開催して参加者に個別に求人を案内するのも手です。たとえばプログラマー求人を扱うならば、地域でプログラミング勉強会を開催し、就職・転職意欲が高い参加者に求人を案内すると良いでしょう。その地場に根ざした集客手法として、有力です。
③オウンドメディア・SNSアカウント
最後にオウンドメディアやSNSアカウントを活用した集客です。自社の公式ウェブサイトにターゲット層の方に向けた記事を掲載した上で、その記事に興味を持ってくれた読者に自社の人材紹介サービスを案内し、登録してもらう形が代表的です。近年は自社の公式ウェブサイトの代わりに、SNSアカウントの運用に注力し、SNSユーザーの集客を強める場合もあります。この場合もターゲット層に向けた発信を強化し、興味を持ってくれたユーザーに自社サービスを案内する点で運用の狙いは同様です。
まとめ
今回はIT業界未経験の人材のマッチングに特化した、人材紹介会社の立ち上げ方をご紹介しました。当メディア「人材紹介マガジン」を手掛けるZキャリア プラットフォームでは、人材紹介会社の立ち上げや売上拡大に向けた施策の支援を随時実施しています。ご相談は無料ですので、人材紹介会社の起業や業務拡大を検討している方はお気軽にご相談ください。
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