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派遣社員は厚生年金への加入が必要?国民年金との違いは?入りたくない場合は?

    今回は派遣社員の厚生年金加入の可否や義務について解説します。また記事の後半では、社会保険料が派遣会社にとって「意外に大きな負担」であることも考察していきます。

    派遣ビジネスの立ち上げを検討する中で、意外と見落としがちな項目の1つが「派遣スタッフの厚生年金加入義務」ではないでしょうか。

    求職者(個人)と求人者(企業)のマッチングに特化する人材紹介業とは異なり、人材派遣業では、派遣スタッフは「派遣会社に雇用されている」形となります。よって派遣会社は、給与とは別に社会保険料に支払いにも対応する必要があります。

    今回は派遣社員の厚生年金加入の可否や義務について解説します。また記事の後半では、社会保険料が派遣会社にとって「意外に大きな負担」であることも考察していきます。

    派遣社員は厚生年金への加入はできる?

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    まず「そもそも、派遣社員は厚生年金への加入ができるのか」を解説します。

    厚生年金とは、公的年金の1つ。国民一人一人の老後の生活を支えるお金であると同時に、事故による障害など不測の事態に備えるための仕組みでもあります。
    基本的に派遣社員は、一般の労働者と同じように厚生年金への加入義務を持ちます。

    ただし加入義務には一定の要件があります。

    総じて「厚生年金加入は条件付きで可能」と言えます。

    厚生年金への加入義務がある事業所

    株式会社などの法人や、常時5人以上の従業員を抱える個人事業所(一部業態を除く)には厚生年金への加入義務が生じます。

    ただし「従業員数」によって細かな規定が異なります。

    まず従業員数が501人以上の企業の場合、通常の労働者に加え、週の所定労働時間が20時間以上かつ月収が8万8000円以上、1年以上の雇用が見込まれるパート従業員も厚生年金の加入対象となります。

    そして「従業員数が501人に満たない企業」も、半数以上の労使合意および事業主の合意があれば、501人以上の基準に沿った厚生年金加入が可能になります。

    また地方公共団体は、501人以上の基準を労使合意なしでも適用可能です。(※1)

    厚生年金への加入義務がある被保険者

    厚生年金への加入義務がある被保険者は、以下のような労働者です。

    ・厚生年金保険に加入している事業所で雇用されている

    ・雇用形態が常時雇用

    ・70歳未満

    常時雇用ではないアルバイトやパートでは、以下の条件となります。前述の通り、従業員数の規定は労使と事業主の合意によって大幅な緩和が可能です。

    ・正社員の勤務時間・労働日数に対し、4分の3以上勤務

    ・週20時間以上勤務し、月の所定内賃金が88,000円以上

    ・従業員数が501名以上の企業に勤務

    ・学生以外

    ・見込まれる雇用期間が1年以上

    派遣社員の厚生年金加入は「条件付きで可能」

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    正社員ではなくとも、派遣社員でも加入義務を満たした場合は厚生年金に加入する必要があります。

    特に派遣社員の場合「正社員の勤務時間・労働日数に対し、4分の3以上勤務」「週20時間以上勤務し、月の所定内賃金が88,000円以上」といった条件が重要な項目となるでしょう。

    週に20時間以上勤務し、正社員の勤務時間の4分の3以上働いている場合、その業務が派遣社員にとってメインの収入となる可能性が高いでしょう。
    よって、メイン業務で手厚い社会保障を受けられるか否かは重要な意味を持ちます。

    派遣業務のスタート時は上の条件を満たしていなくとも、途中で厚生年金の加入条件を満たした場合には速やかに加入を行う必要が生じます。派遣会社と派遣スタッフの双方が、厚生年金の加入条件を認識し、労働状況を管理する必要があるでしょう。

    派遣社員の年金の内訳

    finance

    派遣社員の「厚生年金」への加入義務についてここまで解説してきました。

    年金制度は「国民年金」「厚生年金」「共済年金」の3通りに分かれます。派遣社員には、厚生年金以外の年金への加入義務はあるのでしょうか。

    1つ1つ見ていきましょう。

    厚生年金と国民年金の違いは?

    結論から言えば、派遣社員に主に関係する年金制度は「厚生年金」「国民年金」の2つです。国民年金は20歳〜60歳に達するまで加入義務がある国民全員の基礎年金に該当し、厚生年金は国民年金に上乗せして加入する労働者向けの年金です。

    厚生年金と国民年金では、将来的に受け取れる年金額に差が出ます。それぞれの平均額は以下の通りです。

    ・国民年金:月額5万5,946円

    ・厚生年金:月額14万4,268円(※国民年金も別途上乗せされる)

    共済年金の対象は国家公務員などが主なため、一般的な派遣社員の年金は「厚生年金」「国民年金」の2階建と考えて良いでしょう。

    派遣社員は扶養以内で働くべき?

    privacy

    派遣社員の働き方について考えるとき、大きな論点は「扶養以内で働くべきか」でしょう。

    社会保険の扶養は、本人の年収が130万円を超えると適用外となります。年収130万円は月額の給与に置き換えると、10万8334円に相当します。

    年収130万円を超えた場合、派遣先企業の労働条件との兼ね合いを見ながら、できる限り働く時間や期間を長くし厚生年金の適用を受けることが老後の生活の安定につながります。

    一方で家計に余裕がある場合は、扶養の範囲内で働くことが保険料負担の観点から節税になるでしょう。

    職を探す段階で「扶養の範囲内で働くか」「扶養から外れても構わないので、自分にマッチする環境で働きたいか」は常に考えておくことをおすすめします。

    派遣社員で「厚生年金に入りたくない場合」はどうしたらいい?

    家計に余裕がある場合や、年金制度そのものへの不安から「厚生年金に入らず自身で貯金したい」といった理由から「厚生年金に入りたくない」ケースもあるでしょう。こうした場合は、基本的に扶養以内で働くべきです。前述の通り、扶養以内で働くことは節税にも繋がるためです。

    また扶養から外れるラインの月収を得つつも厚生年金には入りたくない場合は、現実的に「派遣」ではなく「業務委託」で働くことも検討すべきです。業務委託であれば会社との間に「雇用関係」は生じないため、厚生年金に入る必要もありません。

    【派遣会社向け】派遣社員の保険の負担について

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    最後に派遣会社向けに、派遣社員の給与支払いと社会保険料の負担について解説します。

    総じて、派遣会社の手数料負担は増加傾向。利益率は1%前後まで低下しており、事業の多角化などは必要不可欠なフェーズに差し掛かっています。

    派遣会社の手数料に対する年金・保険の割合

    引用元:一般社団法人 日本人材派遣業界

    派遣会社の売上は、派遣スタッフの月額給与に対しておよそ3割の手数料を徴収することで計上されます。

    ただし「派遣スタッフの給与に対して3割の売り上げ」のうちから、派遣社員の雇用主として支払う社会保険料などの支払いが発生します。

    一般社団法人日本人材派遣協会によると、各種社会保険料のパーセンテージは派遣スタッフの月額給与全体に対して10.9%。また有給休暇の取得時の費用が4.2%。

    派遣スタッフの月額給与に対して、派遣スタッフ自身の給与と社会保険料の割合は85.1%です。

    残りの15%弱の中から、オフィス賃料や広告費、派遣会社の社員の給与などの支払いを行うため派遣会社の利益は1.2%前後にすぎません。

    利益率低下への対応策

    派遣業界では「同一労働同一賃金」「3年ルール」など、派遣スタッフの待遇改善を求める動きが活発化しています。

    派遣労働者の待遇改善は社会的意義が大きな事柄であり、今後も推進されるべきです。一方で派遣会社の事業の将来性にとっては、大きなリスクになり得ます。

    理由は、派遣事業の収益性。わずか1.2%の利益の中から、さらに派遣スタッフの教育費用や待遇改善に向けた予算確保を行う必要が出てくるためです。

    こちらの記事では、派遣事業のノウハウを生かした「人材紹介業」への参入の必要性など利益率低下や派遣事業の将来性を踏まえたビジョンなどをまとめています。

    ぜひ参考にしてください。

    まとめ

    派遣社員の厚生年金加入の必要性や、派遣会社にとっての社会保険料負担の割合の大きさなどをまとめました。ぜひ派遣業界の分析の参考にしてください。

    (※1)リクナビNEXT

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