応募者に「不採用」を伝える際の電話/メールでのやり取りのポイント – 「タレントプール」作りも意識しよう

今回は企業の人事担当や、人材紹介会社の担当者の方向けに「応募者に不採用を伝える」際のポイントを解説します。
応募者への不採用通知は、一般的には「メール」もしくは「電話」で行われ、必要に応じて書面送付も行われます。
不採用者は「その時には自社と縁が無かった」としても、別のタイミングでは何らかの接点が生まれる可能性があるものです。そのため不採用者を「タレントプール」として意識し、不採用を伝えつつも「いかにして不採用者をタレントプール化できるか」を考えましょう。
1つ1つ解説します。
応募者に「不採用」を伝える際のポイント
応募者に不採用を伝える際のポイントは、大きく三項目に分けられます。
項目 | ポイント |
応募者への感謝を伝える | ・「サイレントお祈り」はNG ・自社への応募/選考に時間を割いてもらったことへの大きな感謝を伝える |
エビデンスを残す | ・電話で不採用を伝えた場合はメールでも同じ内容を送る
・書面での不採用通知郵送は「応募書類を返却する」場合、セットで行うことが多い |
応募書類の取扱い方針をしっかり伝える | ・応募書類を自社で破棄する場合、破棄を行うことを応募者にも伝える
・返送を希望された場合は適切に対応する |
応募者との関係値において、もっとも重要なことは「感謝を伝える」こと。応募者は自身の時間だけでなく、面接などでは金銭的負担も割いていることが少なくありません。感謝を適切に伝えず、ドライに「不採用」だけを伝えた結果、企業イメージを悪化させる企業も多いです。
またそもそも不採用を伝えず、4社に1社程度は「サイレントお祈り」をしていることも。応募者は選考結果が届くまで、転職活動を一時中断するケースもあります。不採用を伝えない場合、闇雲に応募者に負担をかけてしまう恐れがあります。
一般的に、選考結果は応募ないしは面接から一週間以内に伝えましょう。一週間以上時間を要する場合は、事前に応募者にその旨を何らかの方法で伝えましょう。
応募者に「電話」で不採用を伝える場合
応募者への不採用通知は、前述の通り「電話」もしくは「メール」で行われるケースが多いです。電話とメールの使い分けは、主に以下の通り。
・電話で伝える場合
応募者との質疑応答に時間を使いたい場合。たとえば不採用となったポジションとは別の職種を相手に別途提案したい場合に有効
・メールで伝える場合
自社/応募者ともにコミュニケーションコストをおさえ、要件を簡素に済ませたい場合に有効
電話を用いるケースは一般的には少なく、上記の通り「不採用者に対して、別件を熱意をもって提案したい」など限定的なケースが主です。
電話で不採用を伝える場合のトークスクリプトの例は以下の通りです。
採用担当:◎◎の採用担当の△△です。佐藤様の携帯電話でお間違いありませんか?
佐藤(応募者):はい、そうです。
採用担当:ありがとうございます。いま少々お時間よろしいですか?
佐藤(応募者):はい、大丈夫です。
採用担当:この度、弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。心苦しいのですが、今回のご応募につきましては採用を見合わせることとなりました。期待に沿えず、申し訳ありません。ただし、佐藤様には弊社の別ポジションの求人へのご応募もぜひご検討いただけたらと考えております。少々、別求人のご紹介をしてもよろしいでしょうか?
佐藤(応募者):不採用とのこと、残念です。ですが別求人には興味があります。ぜひご紹介ください。
採用担当:ありがとうございます。弊社の別ポジションは、子会社のものとなります。子会社ではありますが、勤務地は本社からすぐ近くなので通勤には問題ないかと存じます。今回の求人では採用要件が◎◎となっていたため、残念ながら佐藤様の採用はお見送りとなってしまったのですが、こちらの子会社の求人であれば要件を満たしております。佐藤様さえよろしければ、人事の別担当から選考についてご連絡差し上げたいと思います。いかがでしょう?
佐藤(応募者):はい、よろしくお願いいたします。私の連絡先を担当者の方にお伝えください。
応募者に「メール」で不採用を伝える場合
ほとんどのケースでは、応募者に「メール」で不採用を伝えることとなるでしょう。メールの文面例は以下の通りです。なおメールの冒頭には応募者の氏名、文末には自社の署名も別途挿入しましょう。
この度は弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
○○様の応募書類をもとに社内で慎重に検討しました結果、今回はご期待に添いかねる結果となりました。
大変恐縮ではございますが、何卒ご了承賜りますようお願いいたします。
◎◎様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
【人材紹介会社の担当者向け】不採用者の「タレントプール」化を意識しよう
最後に、不採用者の「タレントプール化」について解説します。
タレントプール化とは不採用者の連絡先や選考データなどを保存しておき、不採用通知後も何らかの形で接点を保つことを指します。
特に人材紹介会社の場合、応募してきた人材に対して「紹介できる案件がない」としてお断り、ないしは「応募は受け付けるが紹介をしない」対応をすることもあるでしょう。
しかし、こうした「紹介ができない人材」も紹介会社にとっては1つの資産です。転職市場の変化などによって、たとえば「なかなかマッチングが成立しない未経験者」に対して別の採用ニーズが発生するということもあるものです。
よって紹介会社の担当者は、採用管理システムなどを用いて「不採用者」や「マッチングが成立していない人材」も常に管理し、新着案件の通知メールを送ったり、ウェビナーのお知らせを送るなどして接点をキープすることが重要です。
「今回の求人は、あの応募者のスキルが役に立つかもしれない。採用を検討したい」という時に連絡が取れる体制を作っておきましょう。
まとめ
今回は、人材の「不採用」の際の対応方法などについて解説しました。特に多くの事業者や紹介会社は「不採用者のタレントプール化」までは手が回っていないケースも多いのではないでしょうか。
人材紹介会社の場合、タレントプール化を行ったうえで、新着求人と過去の応募者や不採用者を照らし合わせ、人材の掘り起こしと再アプローチを繰り返すことで、求人コストを引き下げながらマッチング率を向上していくこともできます。
なおこうした人材紹介関連のノウハウが、自社になく「思うように紹介事業の売り上げが伸びない」といった課題を抱えている場合は、人材紹介マガジンを運営するagent bankにご相談ください。
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