【人材紹介会社必見】求職者集客に効果的な求人広告の種類と運用方法
企業の人事担当者向けの採用手法や求人広告手法は多様化しています。
・リファラル採用
・ダイレクトリクルーティング
・求人検索エンジンの運用型広告
などがその例です。
人材紹介会社にとっては、他の企業に埋もれることなく求職者集客を求人広告などを通じて行うのは簡単ではありません。そこで今回は人材紹介会社の担当者の方に向け、求職者集客に効く求人広告の種類と運用方法を解説します。
「人材紹介」「求人広告」の役割と市場動向
1999年と2016年に職業安定法が改正されたことで、新規参入や事業展開しやすくなった「人材紹介業」は国内の市場規模が拡大。従来の「求人情報誌」や「求人サイト」経由の応募の品質に満足しない、即戦力を求める企業の採用ニーズに応える形で市場が急拡大しました。一方で人材紹介会社は、常に企業に紹介可能な「求職者」を集客し続ける必要があります。よって人材紹介会社では、求職者を募集するために求人目的のWeb広告などを利用することもあります。そこでまずは「人材紹介」「求人広告」それぞれの市場動向を簡単にご紹介します。
「人材紹介」の役割と市場動向
人材紹介の役割は企業と求職者をマッチングし、採用・入社につなげるものです。人材紹介会社にとって、最も重要な工程の1つが「求職者集め」です。そのため人材紹介会社には、スカウティングやWeb広告の活用に積極的な企業が多いです。一方でこれらのノウハウが事業会社の人事にも広がってきているため、より「集客に効く広告の種類」が求められるようにもなりつつあります。
「人材紹介業」の市場規模
2022年時点の人材紹介業の市場規模は、3,510億円(前年度比18.6%増)。なお2010年度の人材紹介業の市場規模は850 億円でした。(※1)
つまり人材紹介は10年強の間に、4倍以上の市場拡大が実現している「成長産業である」と言えます。
「求人広告」の役割と市場動向
求人広告は主にWeb媒体や紙媒体に出稿されます。多数の求職者の目に触れることで応募を増やし、採用候補者を増やす役割を持ちます。採用会議の公式noteによると企業の求人広告の年間の出稿件数は545万件、求人広告を使用しての転職者数は214万人。そして求人広告経由での転職者数は意外にもこの割合は2019年をピークに、徐々に減少しています 。(※2)
原因には「求人検索エンジン」「ダイレクトリクルーティング」という新たな採用手法へのシフトなどが挙げられます。つまり紙媒体などに掲載される「従来型の求人広告」は徐々に衰退傾向にあり、SNSや求人検索エンジンを介した新たな求人手法のニーズが高まっていると言えるでしょう。
「求人情報提供サービス」の市場規模
求人広告は「求人情報提供サービス」の一部に位置付けられます。2022年度の求人情報提供サービス市場規模は、7,417億円(対前年比+6.5%)でした。(※3)なお求人情報提供サービス市場の市場規模は、コロナ禍である2020年度に4150億円まで落ち込んでいます。その後、徐々にウィズコロナやアフターコロナに移行するに伴って市場が大きく回復傾向にあります。(※4)
人材紹介業において広告などを介した「求職者集客」は大きな課題
人材紹介業において、広告などを介した「求職者集客」は大きな課題です。近年は事業者各社もダイレクトリクルーティングやSNSを介した求人などに積極的に乗り出しているため、人材紹介会社が一般の企業に埋もれることなく、安定的に求職者を獲得し続けるのは困難が予想されるためです。
【人材紹介業向け】求職者集客に効果的な求人広告の種類
求職者集客に使える求人広告の種類をいくつかご紹介します。
Web広告
「Web広告」はインターネット上で配信される広告。人材紹介会社の集客には、「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」が効果的です。
・リスティング広告:検索エンジンでキーワードを検索した際に表示される広告。求職ニーズの高いユーザーにアプローチでき、出稿費用はクリックされた回数分だけなのでコストパフォーマンスが高い
・ディスプレイ広告:ウェブサイトやSNSなどに表示される画像や動画などの視覚的な広告。セグメントを詳細に設定し、ピンポイントでターゲティングができるほか、ブランディング効果も期待できる
リスティング広告の主なプラットフォームにはGoogleやYahoo!のほか、求人検索エンジンが挙げられます。ディスプレイ広告のプラットフォームの例にはGoogleが手掛けるGDN(Google Display Network)などが挙げられます。Web広告のメリットは、成果が確認しやすく、改善につなげられることです。多くの人へ向けて自社の求人情報を知ってもらえることもメリットです。
オウンドメディアの作成
オウンドメディアは自社ウェブサイトやブログなどを指す言葉です。ターゲットにダイレクトに自社の発信する情報を届けられる手段となるため、広告出稿と併用すると効果的。エージェントとしての自社の魅力や価値観を発信できる資産です。
スカウティング
スカウティングは欲しい人材に直接アプローチできる手法です。潜在層やプロ人材にスカウトメールや電話などでオファーを送り、関心を引くことを狙います。採用効率や採用力を高めるために必要な手法です。
求人検索エンジンの利用
求人検索エンジンは、インターネット上の求人情報を自動的に巡回し、一括して検索できるサービスです。Indeedや求人ボックスなどが有名です。求人検索エンジンを利用することで、自動的に多くの求職者にリーチ可能です。より能動的にリーチ数を増やしたい場合は、求人検索エンジン向けの運用型広告を使うこともできます。
求職者集客に求人広告を用いる際の課金方式について
掲載課金型
掲載課金型とは「広告掲載時点で掲載料が発生する」広告です。紙媒体などに掲載される従来型の求人広告の多くは、この「掲載課金型」に該当します。
掲載料金は
・掲載期間
・掲載する求人数
などで大きく上下します。
クリック課金型
主に求人検索エンジンにて求人広告を出稿する際に用いられるのが、「クリック課金型」による課金方式です。求人検索エンジン上で求人がクリックされるごとに費用が発生し、求人を掲載する企業はクリック課金の上限額などを細かく設定することで費用のコントロールも可能です。掲載課金型に比べ、自社の求人がクリックされるまで費用は発生しないため「自社の求人が確実に閲覧された分」だけ請求されます。その広告を通じて何回求人が閲覧されたのか、非常に管理しやすい課金方式の1つです。一方で、配信設定やクリック課金の上限額の管理など、求人の運用そのものに一定のノウハウが求められやすい点に注意しましょう。
応募課金・採用課金型
応募課金型とは「求人広告を介した求職者による応募」に対し、料金が発生するものです。応募が無ければ料金は発生しません。同様に採用課金型は「求人広告を介して採用が決定した」場合に、料金が発生するものです。
・応募課金型
・採用課金型
はいずれも成果報酬型の求人広告に該当します。
人材紹介会社が広告を運用する際のコツと注意点
人材紹介会社が広告運用を始める場合、広告の出稿目的があいまいなまま施策を推し進めてしまう場合があります。注意点は以下の通りです。
自社の強みを整理
求職者集客に向く求人サイトや求人検索エンジンの広告枠は、基本的に高価です。「人材派遣会社」「一般企業」「人材紹介会社」のいずれにとっても広告枠として魅力的であることが大きな理由です。逆に言えば広告を目にする求職者(個人)にとっては、転職エージェントや派遣会社の選択肢は豊富です。広告枠を確保できてもサービスが魅力的でなければ、コンバージョン(問い合わせ又は申込など)は得られないでしょう。まずは自社の強みを整理しましょう。
短いスパンで効果検証しながら広告出稿量とコストを常に管理する
広告出稿量とコストは常に管理し、効果検証を行いましょう。たとえば、求人検索エンジンの両方に広告を出稿する場合、そのコストをどちらか一方にだけ集中的に投下すればより求職者を獲得できる可能性もあるでしょう。プラットフォームごとに獲得できた面談数や最終的なマッチング成立数を定量的にウォッチしていきましょう。
「おとり求人」の掲載などはNG
特に求人検索エンジンなどを介し、クリック課金型で求職者集客を行いたい場合「ターゲットとなる求職者の層」から関心を持ってもらいやすい「おとり求人」を用意したくなるケースがあるでしょう。
・すでに採用が決まっているにもかかわらず、募集が引き続き掲載されている求人
・募集が取りやめになったにもかかわらず掲載が続けられている求人
などでも、求職者からの関心が強い求人の場合、そのまま掲載し、求職者を集める材料にしたいと感じることが多いでしょう。
しかし「おとり求人」の掲載を行うと、職業安定法違反で刑事罰を受ける可能性などがあります。「特定の求人を全面に打ち出した広告の反響が良い」といった場合でも、その求人に実態が無かったり、募集が既に取りやめになっている場合は求人を取り下げましょう。
広告を使わないで求職者を獲得するその他の方法
広告以外にも、求職者を獲得する方法はあります。ここでは「SNS運用」「利用者による紹介や口コミ」という2つの方法について紹介します。
SNS運用を通したダイレクトリクルーティング
XやFacebookなどのソーシャルメディアを活用して、求職者と直接コミュニケーションを取り、最終的に求人者(企業)とのマッチング成立を目指す手法です。SNS運用のメリットは、ターゲット層に合わせた情報発信ができることや、ブランディング効果が高いことが挙げられます。フォロワーとの関係性を築く工数は大きいものの、広告が不要な分、コストは安いです。
利用者による紹介や口コミ
過去に自社サービスを利用した人から、知人らにその評判や感想を伝えてもらい「利用者による紹介や口コミ」経由での応募を獲得することを目指す手法です。
まとめ
この記事では、人材紹介会社向けの集客に効果的な広告の種類と運用方法を紹介しました。求人検索エンジンやSNS運用など、自社に合った広告手法を選んで、より多くの求職者にアプローチしましょう。
(※1)株式会社矢野経済研究(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3371)(参照2024-10-01)
(※2)採用会議(https://note.com/saiyo0602/n/n0331f11c7f79)(参照2024-10-01)
(※3)公益社団法人全国求人情報協会(https://www.zenkyukyo.or.jp/%E5%B8%82%E5%A0%B4%E8%A6%8F%E6%A8%A1/)(参照2024-10-01)
(※4)労働新聞社(https://www.rodo.co.jp/news/172991/)(参照2024-10-01)
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