

今回は人材紹介会社の営業職(CA・RA)を目指す人や、自ら人材紹介の許認可取得し、会社を立ち上げることを目指している人向けのおすすめ本を3冊紹介します。
人材紹介業の基本的な仕事内容をまとめた本から、転職エージェントの経営者が自ら執筆した本まで幅広く紹介します。
今回紹介する3冊の本の選定基準は以下の通りです。
・人材紹介業の基本的なビジネスモデルや仕事内容が網羅的に理解できる内容か
・著者自らが人材紹介業を手掛けているなど、現場のリアルな声や市況が反映された内容か
・人材紹介業について事前知識がない人でも、最後まで読み終えることができる「読み物としての面白さ」があるか
たとえば今回紹介する「人材紹介の仕事がよくわかる本」「誇れる仕事」は、人材紹介業の基礎的な解説の網羅性や「現場のリアルな声」を重視し、選定しました。
一方で「江副浩正」は、リクルート創業者の江副浩正氏の人生を描いた評伝。
リクルートは2012年に求人情報専門検索エンジン「Indeed」を買収。国内最大級の人材ビジネス企業であると同時に、HRテック分野でのグローバル展開にも成功。
同社の起源や創業者の実像を知ることで、国内の人材ビジネスの歴史を知ることができます。特にこれから人材領域で起業を目指している方にとっては、大いに刺激を得られるでしょう。
早速、一冊ずつおすすめの書籍を紹介していきます。
「人材紹介の仕事がよくわかる本」は、国内と海外で2度の起業経験を持つ小松俊明氏の著書。
人材紹介のトップコンサルタントとして知られ、オールアバウトの外資転職・転職のノウハウガイドとしての原稿執筆や、サイバー大学客員教授としての授業も担当。
「人材紹介の仕事がよくわかる本」には、人材紹介ビジネスの基本からトップコンサルの行動特性から導き出される業務のコツまで幅広くまとめられています。
タイトル:人材紹介の仕事がよくわかる本
著者:小松俊明
出版社:日本実業出版社
価格:2200円
人材紹介ビジネスの基本から、コンサルタントの業務フローや契約実務、開業時の許認可取得まで幅広い内容が扱われています。
出版年は2009年とやや古く、法改正に伴い、やや内容に改訂が必要な部分もあります。とはいえ「人材紹介業の基本を知りたい」ビジネスパーソンや転職希望者が業務の概要を把握するために読む本としては未だに有効です。
目次は以下の通りです。
1.人材紹介ビジネスの基本
2.人材コンサルタントの基本
3.業務フローの基本
4.契約実務の基本
5.役立つツールの基本
6.開業の基本
7.トラブル対策の基本
8.人材ビジネスの「基本用語」「専門用語」「業界用語」集
第一章、第二章の「人材紹介ビジネスの基本」「人材コンサルタントの基本」は人材紹介会社への就職・転職を考えている若手ビジネスパーソンや、異業種からの人材紹介業参入を検討している方にとっては大いに参考になるでしょう。
前述の通り、発売から年月が経過していることがややネックではありますが、紹介されているノウハウには普遍的なものも多く含まれています。
書籍で取り上げられている内容の大半は実務を想定しており、人材紹介業の基本的な仕事の流れを「トップコンサルタントが解説する様々なコツやノウハウ」とセットで知りたい方におすすめです。
「人材紹介バイブル 誇れる仕事 エリメント流コンサルティング術」は、株式会社エリメントHRC代表取締役・狩野洋輔氏が同社の社員向けの研修資料を一般向けに改訂した一冊。
狩野洋輔氏が人材紹介業界に入った当時は「人材紹介に正解無し、人は十人十色だから」という定説がまかり通り、キャリアコンサルティングには科学的アプローチが存在していなかったそう。
そうしたキャリアコンサルティングの品質の低さが、今日の「人材紹介」のビジネスとしての認知度の低さにつながっていると狩野氏は問題提起を行います。
特に一名の担当者がCAとRAを兼ねる「両面型転職エージェント」の営業職、あるいはRAと密に連携するCAとしてのキャリアを希望している方は必読の一冊です。
タイトル:人材紹介バイブル 誇れる仕事 エリメント流コンサルティング術
著者:狩野洋輔
出版社:PHP研究所
価格:1650円
求職者を理解し、求職者に対して最大限の支援を行うことが結果的に顧客企業(求人者)にとっても最大の価値を提供するという考え方が一冊を通じて、ブレることなく解説されています。
表面的に「転職者の希望」だけを重視するのではなく、求職者の「意向」「性質」をそれぞれ見極めることの重要性が説かれます。
求職者の「意向」と「性質」はそれぞれ一致するとは限りません。本人の意向は重要なトピックではありますが、本人のスキルを最も活かせる「性質」が意向とマッチするものとは限らないためです。
特にCA(キャリアアドバイザー)業務に関心がある方や、CAと密に連携したRA(リクルーティングアドバイザー)業務に関心がある方にとっては参考になる内容が多いでしょう。
目次は以下の通りです。
1.人材紹介業界の現状
2.人材紹介コンサルティングの原理原則
3.理想的な転職を実現させるための面談
4.成功するエリメント流人材紹介コンサルティング
著者自身が両面型転職エージェントとして「医療転職.com」を運営することで得られたノウハウを、体系的にまとめた一冊です。
前述の通り、同署の内容は基本的にキャリアアドバイザー視点で描かれています。求職者と直接接する際のノウハウを知りたい方に有用な内容です。
また医療領域の人材紹介は、国内の少子高齢化に伴って今後成長が予測される分野の1つです。「医療転職.com」の運営ノウハウの一端を知りたい方にもおすすめです。
株式会社リクルートの創業者・江副浩正氏の生涯や仕事についてまとめた評伝。江副氏は東京大学在学中にリクルートを創業し「求人広告」「新卒学生」というマーケットを切り開いた第一人者として知られます。
また1988年には日本最大級の贈収賄事件として知られる「リクルート事件」の首謀者としてリクルートの会長を退任。逮捕後は300回以上法廷が開かれるなど、異例の裁判長期化も話題となりました。
「江副浩正」はそんな同氏の人生を通じて、今もなお国内トップクラスの人材企業として君臨し、グローバル展開でも大きな成功を収めたリクルートの企業文化や成り立ちを知ることができる良書です。
タイトル:江副浩正
著者:馬場 マコト、土屋 洋
出版社:日経BP
価格:2420円
「江副浩正」は、同氏の少年時代から東京大学在学中の起業、リクルート社の成長から「リクルート事件」に至るまでの流れがスピード感あふれる筆致で鮮やかに描かれます。
江副氏は東京大学在学中に、リクルートの前身となる「株式会社大学広告」を立ち上げ。当時のメイン事業は、東京大学の学生新聞「東京大学新聞」の広告代理店事業でした。
江副氏が立ち上げた事業が、やがて大学新卒者と企業のマッチングへと発展し、求人広告業界を大きく拡大。業界全体の地位を押し上げていく様子は、胸躍るものがあります。
才覚溢れる江副氏の経営感覚や、1つ1つの行動を追体験するように追っていくのは非常に心躍る読書体験。人材業界での事業立ち上げに関心がある方にとっては、大きくモチベーションを刺激されるでしょう。
目次は以下の通りです。
・序章 稀代の起業家
・第一章 東京駅東北新幹線ホーム
・第二章 浩正少年
・第三章 東京大学新聞
・(中略)
・第十六章 リクルートイズム
・第十七章 裁判闘争
・(後略)
・第二十一章 遺産
人材派遣、人材紹介、求人広告からHRテックなどITソリューションまで幅広く手掛け、グローバル展開も成功したリクルート社の成り立ちを知ることができることが最大のおすすめポイント。
若い読者の方の中には、リクルートの前身が東京大学新聞の広告代理事業を手掛ける起業であったことを知らない方もいるのではないでしょうか。小さなベンチャー企業が瞬く間に事業を拡大し、スカラシップも立ち上げるなど社会貢献していく様子は多くの若手経営者にとって刺激となるでしょう。
本書を読むことで、いまも続くリクルートの企業文化の背景をうかがい知れます。人材ビジネス業界で仕事に携わる方にとって、大きなモチベーションアップにつながる一冊です。
人材紹介関連のおすすめ書籍を3冊紹介しました。人材紹介の基礎を知ることができる本から、モチベーションアップに繋がる書籍まで幅広くチョイスしています。自身の目的にマッチする書籍を選び、ぜひ読んでみてください!
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