法律改正により人材紹介会社の実績が丸裸に?実績で選ばれる時代の到来
みなさんは法律改正の情報しっかり把握できていますか?
人材紹介事業を運営するには、厚生労働省の許認可が必要なことは周知の事実ですが、許可取得済みの会社には許可番号が付与されます。その許可番号を下記ページで検索すると、会社の簡単な情報を調べることができるのは、皆さんもご存知のことだと思います。
しかし、2018年1月から施行された法律により、求職者が相談前に取得できる情報項目が増えました。これにより、面談前に求職者が人材紹介会社の許可番号を検索し、相談するかどうかを実績ベースで確認してから選ぶ時代が近づいたといえます。
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ではどんな情報が追加され、どのようなことに気を配らなくてはいけなくなったのでしょうか。本記事では、許可番号について解説しつつ、追加された情報と今後人材紹介会社が気をつけなければいけないことについて書いています。
許可番号とは?
13-ユ-30**45
人材紹介会社の方々は、もちろんこの番号をご覧になられたことはあるかと思います。しかし、今までは免許取得時しか利用用途がなく、自社の許可番号を覚えている方はほとんどいらっしゃらないと思います。
許可番号は、国から許認可を受けて事業運営している証拠となる称号であり、各事業者の情報を引き出せるキー番号ともいえます。
ちなみに、最初の2桁の数値は都道府県番号であり、13の場合は東京で免許取得したことを示しています。また、カタカナが混ざっていますが、これは有料職業紹介(ユ)か無料職業紹介(ム)か、ということが判断できます。そして、2004年3月1日以降の許可は、300001から始まる通し番号になっており、免許取得時期の推定をすることもできます。
許可番号がアクセスキーとなる
先ほど解説したように、許可番号は会社の情報を引き出せるアクセスキーです。下記ページにて許可番号を検索をすることによって、会社の情報を取得することができます。
下記が、法改正前に人材紹介会社に報告義務があり、誰でも取得できた情報です。
- 会社名
- 住所や電話番号
- 許認可受理受付日
- 届出取扱職種
- 届出対象地域
今まではこちらの情報を見ても、基本的な会社概要しか把握することができなかったので、求職者がこちらのページを使って、許可番号を検索することはなかったと考えられます。可能性があるとすると、あまりに怪しい会社に遭遇し、本当に許可取得会社なのか?と疑い、許可取得の有無を確認するときくらいでしょうか。
しかし、2018年1月の法改正により、紹介事業者の報告義務項目が大きく増えました。それに伴い、検索することによって取得できる情報は増えました。
法改正によって追加された情報
2018年1月から施行された法律によって、事業者側に追加報告義務ができた情報はこちらです。
- 就職者の人数(4か月未満退職/それ以上)
- 離職者人数
- 離職か現職か判明していない人数
- 得意職種
- 返金制度
- 手数料
求職者は、こちらの情報をいつでも引き出し、その紹介会社の決定実績や離職人数を見ることができます。これにより、紹介の質を実績ベースで瞬時に判断できます。そして無理やり押し付けて入社させていないかも、離職者人数の実績でわかってしまうのです。
また、これはあくまで推測になってしまいますが、どちらか判明していない人数という項目は、”離職したか判明していない人数=入社後まで関係が続いていない人”と捉える求職者もいるのではないでしょうか。
これは求職者に限った話ではありません。クライアントとなる求人企業からも実績ベースで利用の判断をする時代が近づいてきている証拠だといえます。つまり、2018年1月の法改正によって、本質的なマッチングを考えて紹介している紹介会社に、求職者と求人企業の双方から、人気が集まるような構造の土台が出来上がったのです。
まとめ
恐ろしい時代がきたと、戦々恐々とされた事業者の方も多いのではないでしょうか。しかし現在は、あくまで法律改正が行われ事業者側に報告義務ができた段階なので、許可番号で検索しても、情報の取得はできない状態です。そして、この報告義務となった項目の情報に、信憑性があるような形で運用がうまくいくかもまだまだ予測がつかない状況です。
しかし、土台が整った状態であることは疑いようのない事実なので、紹介会社はしっかりと準備をする必要があるかもしれません。採用決定効率だけでなく、求職者の中長期的なキャリアを見据え本質的なキャリア支援をしていく会社だけが、生き残っていくような時代がすぐそこまで来ているとも言えるかもしれません。
最近では、自社では求人開拓は一切行わず、外部求人データベースサービスを利用する企業が増えてきました。求職者への価値提供にフォーカスができるからです。立ち上げ時期は出来るだけ外部リソースも使いながら、軌道修正ができる状態を保っていくことが重要です。
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