人材紹介会社の収益を拡大するメディア
  • facebookでシェア
  • この記事をツイート
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
市場動向
市場動向

法律改正により人材紹介会社の実績が丸裸に?実績で選ばれる時代の到来

人材紹介事業の運営には厚生労働省の許認可が必要です。許可取得済みの会社には「有料職業紹介事業」の許可番号が付与され、この番号で簡単に検索して情報を調べることができます。この記事では、許可番号の詳細や追加された情報、そして今後人材紹介会社が注意すべきポイントについて解説します。

みなさんは法律改正の情報しっかり把握できていますか?

人材紹介事業を運営するには、厚生労働省の許認可が必要なことは周知の事実ですが、許可取得済みの会社には許可番号が付与されます。その許可番号を下記ページで検索すると、会社の簡単な情報を調べることができるのは、皆さんもご存知のことだと思います。

人材サービス総合サイト<許可届け出事業所の検索

しかし、2018年1月から施行された法律により、求職者が相談前に取得できる情報項目が増えました。これにより、面談前に求職者が人材紹介会社の許可番号を検索し、相談するかどうかを実績ベースで確認してから選ぶ時代が近づいたといえます。

▼法律改正に関する関連記事はこちら


ではどんな情報が追加され、どのようなことに気を配らなくてはいけなくなったのでしょうか。本記事では、許可番号について解説しつつ、追加された情報と今後人材紹介会社が気をつけなければいけないことについて書いています。

 

許可番号とは?

許可番号とは

13-ユ-30**45

人材紹介会社の方々は、もちろんこの番号をご覧になられたことはあるかと思います。しかし、今までは免許取得時しか利用用途がなく、自社の許可番号を覚えている方はほとんどいらっしゃらないと思います。

許可番号は、国から許認可を受けて事業運営している証拠となる称号であり、各事業者の情報を引き出せるキー番号ともいえます。

ちなみに、最初の2桁の数値は都道府県番号であり、13の場合は東京で免許取得したことを示しています。また、カタカナが混ざっていますが、これは有料職業紹介(ユ)か無料職業紹介(ム)か、ということが判断できます。そして、2004年3月1日以降の許可は、300001から始まる通し番号になっており、免許取得時期の推定をすることもできます。

 

許可番号がアクセスキーとなる

許可番号 アクセスキー

先ほど解説したように、許可番号は会社の情報を引き出せるアクセスキーです。下記ページにて許可番号を検索をすることによって、会社の情報を取得することができます。

人材サービス総合サイト<許可届け出事業所の検索

下記が、法改正前に人材紹介会社に報告義務があり、誰でも取得できた情報です。

  • 会社名
  • 住所や電話番号
  • 許認可受理受付日
  • 届出取扱職種
  • 届出対象地域

今まではこちらの情報を見ても、基本的な会社概要しか把握することができなかったので、求職者がこちらのページを使って、許可番号を検索することはなかったと考えられます。可能性があるとすると、あまりに怪しい会社に遭遇し、本当に許可取得会社なのか?と疑い、許可取得の有無を確認するときくらいでしょうか。

しかし、2018年1月の法改正により、紹介事業者の報告義務項目が大きく増えました。それに伴い、検索することによって取得できる情報は増えました。

 

法改正によって追加された情報

許可番号 追加情報

2018年1月から施行された法律によって、事業者側に追加報告義務ができた情報はこちらです。

  • 就職者の人数(4か月未満退職/それ以上)
  • 離職者人数
  • 離職か現職か判明していない人数
  • 得意職種
  • 返金制度
  • 手数料

求職者は、こちらの情報をいつでも引き出し、その紹介会社の決定実績や離職人数を見ることができます。これにより、紹介の質を実績ベースで瞬時に判断できます。そして無理やり押し付けて入社させていないかも、離職者人数の実績でわかってしまうのです。

また、これはあくまで推測になってしまいますが、どちらか判明していない人数という項目は、”離職したか判明していない人数=入社後まで関係が続いていない人”と捉える求職者もいるのではないでしょうか。

これは求職者に限った話ではありません。クライアントとなる求人企業からも実績ベースで利用の判断をする時代が近づいてきている証拠だといえます。つまり、2018年1月の法改正によって、本質的なマッチングを考えて紹介している紹介会社に、求職者と求人企業の双方から、人気が集まるような構造の土台が出来上がったのです。

 

まとめ

恐ろしい時代がきたと、戦々恐々とされた事業者の方も多いのではないでしょうか。しかし現在は、あくまで法律改正が行われ事業者側に報告義務ができた段階なので、許可番号で検索しても、情報の取得はできない状態です。そして、この報告義務となった項目の情報に、信憑性があるような形で運用がうまくいくかもまだまだ予測がつかない状況です。

しかし、土台が整った状態であることは疑いようのない事実なので、紹介会社はしっかりと準備をする必要があるかもしれません。採用決定効率だけでなく、求職者の中長期的なキャリアを見据え本質的なキャリア支援をしていく会社だけが、生き残っていくような時代がすぐそこまで来ているとも言えるかもしれません。

最近では、自社では求人開拓は一切行わず、外部求人データベースサービスを利用する企業が増えてきました。求職者への価値提供にフォーカスができるからです。立ち上げ時期は出来るだけ外部リソースも使いながら、軌道修正ができる状態を保っていくことが重要です。

 

 

※当サイトに掲載されている記事や情報に関しては、正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。

今すぐメルマガを登録する

編集部では、人材紹介に関する様々な情報を無料で提供しています。お気軽にご登録ください!

市場動向
市場動向
「人材育成・能力開発」などの研修業界・研修事業のビジネスモデルと市場規模と将来性について解説
近年は「人材育成」「能力開発」を手掛ける、法人研修に強みを持つ企業が人材紹介に進出するケースが増えています。そこで今回は「人材育成・能力開発」業界の企業研修・ビジネスモデルと将来性、マネタイズのポイントを改めて解説します。
市場動向
「人材育成・能力開発」などの研修業界・研修事業のビジネスモデルと市場規模と将来性について解説
近年は「人材育成」「能力開発」を手掛ける、法人研修に強みを持つ企業が人材紹介に進出するケースが増えています。そこで今回は「人材育成・能力開発」業界の企業研修・ビジネスモデルと将来性、マネタイズのポイントを改めて解説します。
市場動向
人材業界の転職市場規模・業界地図とコロナ以後の動向
人材業界の市場規模、業界地図やコロナ以後の動向を解説します。人材業界の市場規模は7兆128億円、ただし2020年度はコロナ渦の影響で転職市場を含む全体の市場縮小が予測されます。今回紹介したデータを転職市場の分析やコロナ以後の動向の予測にお役立てください。
市場動向
人材業界の転職市場規模・業界地図とコロナ以後の動向
人材業界の市場規模、業界地図やコロナ以後の動向を解説します。人材業界の市場規模は7兆128億円、ただし2020年度はコロナ渦の影響で転職市場を含む全体の市場縮小が予測されます。今回紹介したデータを転職市場の分析やコロナ以後の動向の予測にお役立てください。
市場動向
人材紹介業の歴史まとめ – 「これまで」と「これから」や技術革新の可能性
市場動向
人材紹介業の歴史まとめ – 「これまで」と「これから」や技術革新の可能性
市場動向
人材紹介業/人材業界で上場している代表的な企業一覧【15選】
市場動向
人材紹介業/人材業界で上場している代表的な企業一覧【15選】
市場動向
ベトナム人をターゲットとした人材紹介の動向・市場環境・起業の方法まとめ
市場動向
ベトナム人をターゲットとした人材紹介の動向・市場環境・起業の方法まとめ
市場動向
【2021年6月最新】有効求人倍率は1.13倍 – 完全失業率も改善
市場動向
【2021年6月最新】有効求人倍率は1.13倍 – 完全失業率も改善
市場動向
【2021年5月最新】有効求人倍率は前月比から横ばいも回復傾向顕著な地域も増加
市場動向
【2021年5月最新】有効求人倍率は前月比から横ばいも回復傾向顕著な地域も増加
市場動向
儲かる業界と儲からない業界の違いは?伸びる業種の見分け方・ビジネスモデルの分析手法
儲かる業界(業種)と儲からない業界(業種)の違いや、これから伸びる業種の見分け方やビジネスモデルの分析手法について紹介します。 記事の後半では、儲かる業界(業種)の具体例や、起業・事業立ち上げの際の注意点も解説します。
市場動向
儲かる業界と儲からない業界の違いは?伸びる業種の見分け方・ビジネスモデルの分析手法
儲かる業界(業種)と儲からない業界(業種)の違いや、これから伸びる業種の見分け方やビジネスモデルの分析手法について紹介します。 記事の後半では、儲かる業界(業種)の具体例や、起業・事業立ち上げの際の注意点も解説します。
市場動向
【2021年4月最新】有効求人倍率は前月比わずかに下降も新規求人数は回復傾向
2021年4月の有効求人倍率は、前の月をわずかに下回るもほぼ横ばいの水準が継続。一方で企業の新規求人が緊急事態宣言が初めて発令された2020年4月と比較して15%増加するなど、各社の採用意欲が徐々に回復し始めてもいます。 今回は、2021年4月の最新数値を1つ1つ紐解いていきます。
市場動向
【2021年4月最新】有効求人倍率は前月比わずかに下降も新規求人数は回復傾向
2021年4月の有効求人倍率は、前の月をわずかに下回るもほぼ横ばいの水準が継続。一方で企業の新規求人が緊急事態宣言が初めて発令された2020年4月と比較して15%増加するなど、各社の採用意欲が徐々に回復し始めてもいます。 今回は、2021年4月の最新数値を1つ1つ紐解いていきます。
市場動向
【21年3月および令和2年度最新】令和2年度有効求人倍率は46年ぶり下落幅。3月有効求人倍率は横ばい
2021年3月の有効求人倍率は横ばいながらもかすかな改善傾向があります。 一方で、令和2年度平均の有効求人倍率は前年度比0.45ポイント低下の1.10と1974年度以来の下落幅。改めて新型コロナのによる、経済へのダメージの大きさが浮き彫りになった形です。2021年3月及び令和2年度平均の有効求人倍率を読み解きます。
市場動向
【21年3月および令和2年度最新】令和2年度有効求人倍率は46年ぶり下落幅。3月有効求人倍率は横ばい
2021年3月の有効求人倍率は横ばいながらもかすかな改善傾向があります。 一方で、令和2年度平均の有効求人倍率は前年度比0.45ポイント低下の1.10と1974年度以来の下落幅。改めて新型コロナのによる、経済へのダメージの大きさが浮き彫りになった形です。2021年3月及び令和2年度平均の有効求人倍率を読み解きます。