人材紹介会社の起業完全ガイド。転職エージェントの事業立ち上げについて解説
人材紹介会社を起業しようとしている皆様、起業の準備は整っていますか?
「準備をした方がいいのは分かっているけど、何をどのような順番で準備すれば良いのか分からない」そんな方も多いのではないでしょうか。未経験から人材紹介会社を起業する方が増えている昨今では、完全未経験からでもしっかり準備をしていれば、事業収益化を達成している会社がたくさんあります。
しかし準備を怠ってしまうと決して上手くいかないのが、人材紹介事業です。大手人材会社で圧倒的な成績を残していたキャリアアドバイザーの方ですら、準備を怠ってしまうと、うまく行かないケースもたくさんあります。
本記事では、人材紹介会社を起業する際に必要な準備を、時系列順でご紹介している「人材紹介会社の起業完全ガイド」です。これから人材紹介会社を起業しようとされている方々は、ぜひ参考にしてみてください。
人材紹介事業で起業すべき?
そもそも人材紹介事業で起業すべきかどうか悩んでいる方々も多いのではないでしょうか。そんな方がまず理解すべきは、人材紹介事業の利益率や原価などのビジネスモデルに関する情報です。
人材紹介は儲かる?売上やコスト構造
売上になる紹介手数料はどれくらいが相場なのか、どのように計算されているのか。コストとしてかかってくる項目には何があるのか。まず理解すべきはこのような人材紹介事業に関する基本的な構造の理解です。そのような売上やコストを丸っと解説してくれる記事がこちらです。
▼人材紹介の売上やコストについての解説記事はこちら
派遣の選択肢と悩んでいる?人材紹介事業か派遣事業か
人材ビジネスを新しく始めるときに、選択肢として出てくる代表格の2つが、人材紹介業と人材派遣事業です。一般的には混同している人が多いですが、全く異なるビジネスであり、新規で始めるためのハードルの高さも全くもって異なります。そして事業で成功するために必要なノウハウも全く別物です。
それぞれメリットデメリットがありますが、派遣業は新規事業として始めるための資本要件が高く、まずは人材紹介事業でキャッシュを作ってからと考える会社が多いことも事実です。是非双方の選択肢を比較検討してみてください。
▼派遣と紹介の比較に関する記事はこちら
人材紹介には「職業安定法」など法律の知識が必須
人材紹介会社を起業するのであれば、必ず知っておくべきは、職業安定法です。人材紹介事業(有料職業紹介)は、厚生労働省の許認可事業ですし、職業斡旋に関するルールは、法律で事細かく規制されています。まずはざっくり下記記事で全体像を理解することから始めましょう。
▼職業安定法に関する記事はこちら
上記を読んで概要を理解できた後には、こちらの改正案もご一読をお勧めします。2018年から厚生労働省に報告すべき内容が変わりました。
▼職業安定法の改正に関する記事はこちら
会社設立準備
資本金は500万円を目安に準備
人材紹介会社を起業する際に、まず最初に必要になる準備が、会社設立です。そして、会社を設立するのに必要なのが、この資本金の準備です。
人材紹介事業以外の事業を運営するのであれば、資本金はいくらに設定しても問題ありません。しかし、人材紹介事業は厚生労働省の許認可事業であり、国からの許可が必要な事業です。つまり、厚生労働省が規定する、財産要件をクリアする必要があるため、初期の資本金の金額や集め方に関する知識を学ぶ必要があります。
直近1年以内の決算に対して、財産要件をクリアしているかがポイントです。つまり、創業時は原則「負債」が増えようがありませんので、創業するタイミングであれば、資本金500万円かつそのうちの150万円以上が現金出資であれば要件はクリアできます。
厚労省の要件を満たしたオフィスを契約
続いて必要な準備は、オフィスの契約です。
オフィス契約に関しても、資本金と同様に、厚生労働省が定める規約があります。つまり、どのようなオフィスを契約しても良いわけではありません。こちらに関しても、厚生労働省が定める条件を理解した上での選択が必要なのです。
しかし、オフィスに関する要件をクリアしていれば、どこを契約しても事業がうまくいくわけではありません。事業上優位性ともなり得るオフィス選定は、事業戦略と、ひも付いたオフィス選定が必要なのです。
▼オフィス選定に関する記事はこちら
人材紹介の許認可申請(免許取得)準備
会社の登記が終わったら、続いては免許取得の準備が必要です。
免許取得には申請から約2-3ヵ月がかかってしまうので、会社設立後は早めに準備を進めるようにしましょう。
▼免許申請の全体像把握はこちら
職業紹介責任者講習の受講
続いて、職業紹介責任者講習の受講が必要です。
これは許認可を取得するために、1事業所に1名以上の職業紹介責任者を任命する必要があり、責任者は受講が必須となるものです。
全国各地の4事業者によって講習が開催されているので、日程が合うものを予約して、早めに受講するようにしましょう。下記記事からも、各事業者の予約ページに飛ぶことができます。
▼職業紹介責任者講習に関する記事はこちら
人材紹介業の免許申請書類の準備
講習を受講したあとは、免許申請書類を準備する必要があります。この作業には時間と根気が必要です。
人材紹介事業の起業前は、戦略設計に時間を割くべきであり、事務作業の時間はできるだけ削減すべきです。その削減方法としては、10万円ほどの申請代行業者を利用する方法と、弊社で開発した「レッツ人材紹介」という完全無料の免許申請書類作成ツールを使って、申請書類を作成する方法があります。
申請書類の準備ができれば、免許申請書類と合わせて、登記簿などの提出書類を準備し、窓口に提出しに行けば申請は完了です。申請要件をクリアしているかどうかのチェックや、申請に必要な書類の一覧チェックも、下記の無料ツールから確認することができますので、ぜひ合わせてご参照ください。
人材紹介業の事業戦略設計
人材紹介事業の成功のおいては「事業戦略設計」がもっとも重要といっても過言ではありません。初期にどのような仮説を持って、どのような戦略を設計するのかが、事業収益化に大きな影響を及ぼします。
そこでまず考えるべきことは、自社にはどのような強みがあるのかという部分です。2万社以上の競合がもひしめく人材紹介事業においては、自社の強みを正確に把握しておくことはとても重要です。
▼強みの考え方についての記事はこちら
そして次に考えるべきは、自社のポジショニング戦略です。今後どのようなポジションを築いていけば、継続的に市場で勝ち続けることができるのかについては、変わりゆく転職市場の中で、常に思考し続ける必要があります。
▼ポジショニング戦略についての記事はこちら
ポジショニング戦略と同時に、自社はどのようなスタイルで人材紹介を行なって行くべきなのかについても思考する必要があります。人材紹介事業の立ち上げ経験が豊富な方にインタビューを実施しました。なぜ重要なのか、何を考えるべきなのかについて書いておりますので、合わせてご参照ください。
▼インタビュー記事はこちら
また、成功している人材紹介会社は、失敗事例から多くのことを学んでいます。よく起きる失敗事例をまとめた記事です、こちらも合わせてご参照ください。
▼立ち上げフェーズに起きる失敗はこちら
【多くの人材紹介事業者が苦戦】求職者集客の戦術設計
事業戦略が固まった際には、求職者集客の戦術を設計する必要があります。超売り手市場と言われている求職者集客は、多くの人材紹介会社が課題を持っているポイントです。しかし、知識と考え方さえ知っていれば、決して難しいことではありません。どのようなターゲットに対して、どのような自社の強みを訴求していくのかさえ決まっていれば、集客方法も自ずと決まってきます。
▼集客方法の全体像はこちら
また求職者集客に関しては、外部スカウトサービスを利用する人材紹介会社がほとんどです。その中でも戦略やターゲット層によって利用するべき媒体は180度変わってきます。合わせてこちらの記事もご参照ください。
▼外部集客サービスに関する記事はこちら
【事業上の負債が生まれやすい】求人開拓の戦術設計
そして、求人開拓も念密な戦術設計が必要です。ここが最も「事業上の負債」を溜めてしまいやすい領域です。気付いた時には、活用できない求人案件を大量に保有しており、獲得にかかったコストだけでなく、決まらない求人のメンテナンス工数が掛かり続けているという勿体無い事例も少なくありません。まずは起きがちな失敗事例からご参照ください。
▼求人開拓での失敗事例に関する記事はこちら
前提の理解をすれば、どのようなターゲットの求人案件をどうやって集めてくるのかを事業戦略から設計していきます。最近では、求職者集客同様に、求職者集客や求職者接点の最大化のために、求人データベースサービスを利用している会社も増えてきています。
▼求人データベースサービスまとめ記事はこちら
人材紹介事業の継続的な改善
最後に忘れてはならないのが、継続的な改善です。いくら良い戦略を設計したとしても、目まぐるしく変化が起きる転職市場では、継続的な改善なしで事業はうまくいきません。
下記記事では、継続的な改善サイクルを作るために、どのようなポイントについて思考しておけば良いのかをまとめています。
▼事業改善サイクルに関する記事はこちら
まとめ
こちらは人材紹介会社を起業する上で、最低限知っておかなければいけない知識をまとめたものです。情報量が多く、大変な準備に感じるかもしれませんが、成功パターンも確立されてきている事業モデルなので、しっかりと準備さえすれば、事業成功確度は大きく向上します。
ぜひこの機会に、こちらの記事を参考にして、起業準備を進めてみてください。
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