実はこのように二極化していた!最新の人材紹介マーケット事情
求職者の価値観、景気、採用の流れ、様々な要素により、大きく変革し続ける人材紹介マーケット。市場規模は拡大し続けており、2017年の人材紹介市場規模は2500億円を超えたというデータもあり、毎年2桁%の増加を続けています。(矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望2018年版」より) 市場規模の拡大とともに、数年前から大手人材紹介会社がマッチングをアウトソースする形式をとり始めており(小規模人材紹介会社へのデータベースの解放)、大手紹介会社の売上シェアは低下の一途をたどっています。
その中で大きな流れとしてあげられるのが、ターゲットレイヤーの二極化です。本記事では、そんな人材紹介市場のターゲットレイヤーの変化にフォーカスして、解説しています。
ターゲット層の二極化
人材紹介事業者がターゲットとする層が二極化してきています。年収1000万円クラスのヘッドハンティングレイヤー、そして未経験レイヤーと呼ばれる年収300-400万円のレイヤーです。つまり、ミドルと呼ばれる層をターゲットにした人材紹介事業者が減少しており、それに伴い未経験レイヤーをターゲットとする人材紹介事業者が増加しているのです。
今までの人材紹介ではできるだけ単価が高い層を狙っていく戦略をとることが一般的でした。そんな中で、高年収レイヤーをターゲットとしたヘッドハンティングは、通常の人材紹介とは違ったノウハウやスキルが必要という観点では、ミドル層をターゲットとした人材紹介事業者がボリュームゾーンであり、新規で紹介事業を始める事業者もミドル層から始める事業者が多く存在していました。しかし、昨今では、未経験レイヤーをターゲットにして紹介事業を始める事業者がボリュームゾーンになってきているのです。
それはなぜでしょうか。
情報の非対称性の解消
その要因として大きいのは、インターネットの発展による情報の非対称性の解消です。「AIに仕事を奪われる人材エージェントと価値が上昇するエージェントの違い」という記事でも書きましたが、求人情報はネットを検索すれば誰でもたどり着けるようになってきています。
そして転職サイトだけでなく、求人企業がHPで直接求人を出しているのはもはや当たり前の時代なので、昔のように自身でたどり着けない求人情報はないといっても過言ではありません。コンフィデンシャル案件として紹介会社が独占していたような幹部ポジションも、能動的で優秀な人材が直接企業に応募したとしても、受け入れる企業は多くあります。
つまり、ミドル層と呼ばれる、転職活動時に自身で求人情報を選んで意思決定をできる層に対して、エージェントが提供できる価値が減少してきているのです。ミドル層に価値提供ができるエージェントは、面談の中で求人情報や方向性の指南以外の付加価値のある価値提供ができるエージェントだけに限られてきているのです。
大手企業による人材紹介導入の流れ
また昨今では、大手企業による人材紹介の導入が続々と始まっています。これも二極化が進んでいる理由の1つです。今までは求人広告のみで十分に採用ができていた大手企業が、求人広告に掲載しても、安定して採用ができなくなってきているのです。そこで、事業拡大において人員不足がボトルネックにならないようにと、採用単価が上がったとしても採用確度が高い「人材紹介」に予算が流れてきているのです
つまり、未経験レイヤーの紹介市場が拡大しており、通年採用などの継続して人材を推薦できるような案件が豊富に、市場に流れてきているのです。そういった高内定率、大量採用という求人案件に、新しく参入する小規模エージェントが集中してきています。もちろん大手企業から案件をもらうのは容易ではないからこそ、agent bankのような「求人データベースサービス」を利用する会社も急増してきているのです。
まとめ
今までは各レイヤーに分散していた紹介市場ですが、そのターゲットが大きく二極化されてきています。その要因には、情報の非対称性の解消により、人材紹介を使う理由がなくなったミドル層の求職者が増加してきたこと、そして大手企業による人材紹介の利用が増加してきたことにより、未経験層の紹介市場が拡大してきたことが理由として挙げられます。
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