人材紹介会社がリファラル集客を機能させるために必要なこと

超売り手市場の中、求職者の集客に困っている紹介事業者も多いのではないでしょうか。求職者の集客を助けてくれる多くの求職者集客サービスがありますが、サービス使用料だけでなく、入社決定時の成果報酬金額もかかるため、集客コストが高騰し、利益率が下がっている紹介事業者が多いのも事実です。

本日は、そんな状況に陥っている紹介事業者におすすめの、原価0円の求職者集客方法であるリファラル集客について解説していきます。

リファラル集客とは？

リファラル採用という人の繋がりを利用した採用手法が採用市場で注目されていますが、同様に繋がりを利用した求職者集客方法のことです。つまり、自社社員の繋がりや、外部パートナーの繋がり、そして求職者の繋がりを活用して、集客をする方法です。

リファラル集客のメリットとしては、下記3つが挙げられます。

1つ目のメリットは、集客原価がかからないことです。多くの求職者集客サービスは月額固定費＋入社決定決定時に手数料の30%がかかるため、利益率が大幅に下がってしまいます。(求職者集客サービスの一覧は下記記事参照)

Web上に情報がなく選定が困難？求職者集客サービスまとめ

先日のスカウトメールに関する戦略ノウハウ記事の反響が大きかったのですが、「とはいえ、どんなサービスを使えばいいの？」という声も多かったです。実は人材紹介会社向けの求職者集客サービスは、各社共にweb上に情報を公開していないため、検索してもまったく情報が出てきません。そこで、今回は、そのようなご要望にお答えし、エージェント向けの求職者集客サービスをまとめてみました。求職者集客サービスの選定されている方々の参考になりますと幸いです。 エージェント専門のスカウトデータベースマイナビエージェントサー...

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しかし、リファラルでの集客の場合は、基本的には集客費用として莫大な投資をする必要がなく、謝礼を渡す場合は、その金額のみでの集客が可能です。

2つ目のメリットは、1求職者に対するエージェント競合性の低さです。集客サービスを利用する場合は、多くのエージェントとのバッティングは仕方ないことですが、リファラル集客の場合は、他社サービスを使っていないことも多く、自社で独占してキャリアサポートができます。

3つ目のメリットは、信頼関係の構築が容易な点です。離脱率を抑え、内定率を高めていくために、求職者との信頼関係の構築は非常に重要な要素です。求職者からすると、信頼できる知り合いからの紹介であればあるほど、信頼を引き継いだ状態でキャリア面談に入ることができるので、離脱率は低下するのです。

リファラル集客の落とし穴

リファラル集客を強化する際に、勘違いし実施してしまう会社が多い施策は、とにかく謝礼金をインセンティブに、紹介してくれるパートナーを増やしていく施策です。この方法でも求職者の母集団形成は可能ですが、利益率が改善されていくこともなく、お金をインセンティブとしているので、信頼関係を紹介者から引き継ぐことが難しいです。リファラル集客のメリットを享受することが難しくなります。

リファラル集客はある意味、自社サービスのファンを増やして、信用を積み上げていくことで、雪だるま式にメリットを享受し続けられる手法です。うまく機能すれば、集客費用というお金のコストだけでなく、時間的なコストも大幅に削減することができます。

リファラル集客を機能させるために必要なこと

リファラル集客を機能させるために、必要なことは、求職者満足度を徹底的に高めることです。そして、求職者の期待を超える感動体験を提供することです。

当たり前のことですが、満足したサービスでなければ、友人知人におすすめしたいと思いません。まずはキャリア面談の質を徹底的に高めることが重要です。しかし、それだけでは人に話したい体験を提供できません。求職者接点の要所要所に、期待値を上回る感動体験を設計する必要があります。例えば、入社が決定した際に心のこもったプレゼントとともに、手書きの手紙をプレゼントしてみることも、感動体験を提供する一つの施策です。

求職者に対する時間を削減することで、利益率を高めることを重視してしまいがちな事業構造だからこそ、徹底的に求職者目線で感動体験をデザインすることで、紹介会社に対する期待を超えることは難しくありません。この満足度の向上と感動体験のデザインにかけた時間は、決して無駄にはならず、信用は蓄積され、ファンができ、その信用とファンは資産となり、リファラル紹介は雪だるま式に増えていきます。

実際に求職者面談を複数回実施し、求職者への時間を惜しまずに投下している会社は、求職者からの紹介だけで成り立っている会社が多いのが事実です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。情報過多と言われている昨今では、広告などの一時的なアプローチでは集客は難しいと言われています。ただの情報だけでは人は意思決定をしなくなっているのです。そんな情報過多の時代だからこそ、友人知人からのオススメは強力な集客ツールです。

しかし、何か施策を打たなくてはと、いきなり紹介キャンペーンを実施してもほとんど紹介は集まらないでしょう。あくまで、友人知人に勧めたいサービスを提供できているのか、他社サービスと比較して期待値を超えるような感動体験を提供できているのかという部分こそが重要です。

その上で、どのような紹介文句で紹介される転職支援サービスなのかという、独自のポジショニングまで設計すると、さらに紹介は増えていきます。

このような事業戦略の部分に時間をかけ、自分以外ができる業務についてはできる限り外部サービスを利用することがおすすめです。