

ソーシャルリクルーティングとはTwitterやInstagramといったSNS、またLinkedIn、WantedlyといったビジネスSNSを介した企業の採用手法のことを指します。
日本国内におけるSNS利用者数は、年々増加。2019年時点の国内ネットユーザー数が9,960万人と推定される中、SNS利用者はそのうち78.2%にあたる7,786万人です。
このことは「気になる企業や案件についてSNSで情報収集する人」も増えていることを意味します。今回はソーシャルリクルーティングの事例や、デメリットを人材紹介会社向けに解説します。
ソーシャルリクルーティングが注目される背景には、前述の通り「SNSでの検索」というニーズが拡大していることが挙げられます。
Googleなど検索エンジン経由での検索では「企業のオフィシャル情報」にアクセスしやすいです。
一方で「個人のリアルな口コミを知りたい」といった場合には、検索エンジンを使うより、SNSで検索を行った方が目当ての情報にアクセスしやすいことも。
そのため企業側が「SNS向け」の集客手法を打ち、企業情報やリアルな現場の声などを紹介。
・Google検索経由:自社広告や採用ホームページのコンテンツ
・SNS経由:ソーシャルリクルーティング関連コンテンツ
と棲み分けて、両面でユーザーにリーチできる環境が整いました。
メリットは従来の検索ではリーチしきれない、SNS両面にリーチできること。
また上記の画像の通り、SNSには様々なプラットフォームがあります。施策やリーチしたい層に応じて使い分けができるほか、多くの場合、各プラットフォームでは一般的な規約を除いて投稿内容の制限はありません。転職サイトや求人サイトより内容の自由度が高いのもメリットです。
ソーシャルリクルーティングでは「SNSに適したコンテンツの発信」が前提として必要です。自社採用でのソーシャルリクルーティングの場合は「社員インタビュー」や「新卒/中途社員の座談会」などが典型的な例。
一方で人材紹介会社が、求職者集客でソーシャルリクルーティングを取り入れる場合は「社員インタビュー」の実現が簡単ではないのもまた事実です。社名非公開で求人を行いたい企業も多いためです。
そのため人材紹介会社が求職者集客にソーシャルリクルーティングを取り入れる場合は、SNS向けに「転職等に関するお役立ちコンテンツ」を発信しつつ、見込み顧客(求職者)に対しては個別にDMでスカウトを行うのがおすすめです。
・お役立ちコンテンツの例
1.Webデザイナーやフロントエンドエンジニアに対して「魅力的なウェブデザイン事例集」
2.インサイドセールスに対して「オウンドメディア経由のリード獲得方法」
3.フィールドセールスに対して「最終局面で失注しないためのトークスクリプト集」
ソーシャルリクルーティングはメリットばかりではなく「最終的なマッチング成立までが遠い」、すなわち「潜在層に向けた施策になりやすい」というデメリットがあります。
InstagramやTwitterのユーザーには、多くの一般層が含まれています。つまり「転職したい層」への施策としては、非効率な面があることもまた事実です。
よってコンテンツ製作コストが高くなれば高くなるほど、回収にかかる時間も長くなります。現実的には外注、もしくは社員1名程度からミニマムに始めるのがベターでしょう。
SNSのプラットフォーム選定を誤ったり、コンテンツ内容に問題があると炎上リスクがあります。
炎上リスクを最小化しつつ、顕在層向けに施策を進めていく場合は「LinkedIn」などビジネスSNSの利用がおすすめです。「顕在層」に向けて「顕在層向けコンテンツ」を提供していくため、無関係な第三者の目に留まることが少なくなります。
最後にソーシャルリクルーティングを始めやすい、おすすめのSNSを2つ紹介します。
写真/動画の投稿を中心としたSNSで、Meta(※旧・facebook)が運営しています。20代がユーザー層の中心で、近年は連絡ツールとしてもよく使用されています。
視覚的な要素に富むコンテンツでユーザーを囲い込みつつ、顕在層のユーザーにはDMで個別にアプローチしていくのがおすすめ。
より具体的なInstagramの集客術は、agent bank公式ページにて無料で紹介しています。あわせて参考にしてください。
LinkedInはビジネス関連の情報収集などに特化した「ビジネスSNS」です。転職需要も大きなSNSであり、企業向けにスカウトメール機能が提供されています。
たとえば月1万5000円のプランでは、1か月に50件のスカウトメール送信が可能。2か月間で1件でも年収400万円の人材のマッチングに成功すれば、3万円のCPAで100万円強の売上が立ちます。
LinkedIn集客については、こちらの記事で詳しく解説しているためぜひ参考にしてください。
主に人材紹介会社向けに、ソーシャルリクルーティングのメリット/デメリットや施策例、おすすめのSNSを解説しました。
転職サイトへの求人掲載などと比べて、発信の自由度が高く、Google検索向けの情報発信では囲いこみ切れない層にもリーチできます。一方で潜在層向けの施策になりやすいというデメリットはあります。
そのためミニマムに施策を始めたい場合は、まずはLinkedInなどビジネスSNSでの投稿からスタートするのが良いでしょう。
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