人材紹介って儲かるの?独立した際の年収や売上・利益率を徹底解説
新しく人材紹介事業を開始する事業者数は、現在も増え続けており、東京都内だけで、毎月100社以上の人材紹介免許の新規取得があります。(2018年5月時点)
人材紹介事業者が増加し続ける要因として、ウィズコロナ/アフターコロナで企業の採用ニーズが大きく回復傾向にあることに加え、厚生労働省の許認可基準が下がり続けていることも一つの要因として挙げられます。
また最近では、人材紹介事業は未経験で、人材紹介事業を立ち上げる企業も増加傾向にあります。
本記事では
・未経験からの人材紹介事業の立ち上げ
・派遣/HRテックなど隣接する異業種からの人材紹介事業への参入
を考えている方々向けに「人材紹介事業って実際儲かるの?」という疑問について、お答えしていきます。
売上 | マックスで年商2500万円が第一目標
人材紹介事業の売上は、求人企業から受け取る成功報酬型の採用手数料です。採用手数料の業界平均額は、入社が決定した求職者の30~35%と言われており、求職者の年収が400万円だった場合、120万円前後の売上が発生します。
採用手数料は年収の50%という上限を越えなければ、いくらに設定しても問題はありません。(※法規制はないが、50%以上の場合は届出の際に相応の理由が必要)
しかし求人企業から見て適正な金額なのかという部分は、求人開拓難易度に関わってきますので、価格設定には注意が必要です。
▼手数料の設定についての記事はこちら
「売上をどこまで伸ばせるのか」については毎月コンスタントに2名の転職を成功させ、入社が決定すれば、1名での事業運営でも最大で年商2,500万円の事業を作ることが可能です。
ただし毎月2名の転職を成功させるためには
・月に20名程度の求職者の集客を行う
・そのうち10名の求職者に4社程度の選考の承諾を取る
・選考からの入社割合5%程度を達成する
といった条件を満たす必要があります。もちろん、参入初年度でこの全ての指標を満たすことは簡単ではありません。「まずは選考からの入社割合5%程度のみを達成する」など、上の条件を1つずつ、時間をかけてクリアしていきましょう。
また、この数値を実際に達成するには「面接通過率」「内定承諾率」といった、マッチング成立までの工程ごとの細かなKPI設定も意識しましょう。
また「1人のコンサルタントが面談できる人数には限りがある」という点では、労働集約型のビジネスモデルであることも事実。
ここから更に売上を増加させていくには、コンスタントに入社を生み出せる「キャリアコンサルタント」や「リクルーティングアドバイザー」の人数を増やす必要があります。
つまり、社員1人で生み出せる売上は年商2500万円程度が上限といえそうです。これ以上の売上拡大においては従業員の採用も含め、総合的な「戦略策定」が重要なポイントになってきます。
コスト | 必須の固定費は「人件費」「オフィス」のみ
人材紹介事業は、初期コスト含め「人件費以外のコストがほとんどかからない」というのが大きな魅力です。この点は、多くの事業者が人材紹介事業を始める理由でもあります。
- エージェントの人件費
- オフィスの賃貸費用
事業運営上、必須でかかるコストはおそらくこれだけでしょう。
つまり求職者と紹介先の求人企業を既に保有している事業者であれば、かなり低コストで事業運営ができるでしょう。
しかし多くの企業が、上記以外にも多くのコストを割いています。
スカウトや求人媒体は、10-20万円程度の月額の利用料だけでなく、入社決定時に30-50%のマージンが発生するサービスがほとんどです。そのため、必要に応じてこちらのコストも事業計画にいれておきましょう。
ちなみに、業界上位企業の利益率は20-35%と言われています。
▼人材紹介のコストについての記事はこちら
事業運営難易度 | 求人獲得/求職者集客がカギ
売上とコストの内訳を見てみると、人材紹介事業は儲かりやすい事業と言えるかもしれません。
とはいえ求人企業からの採用ニーズと求職者からの転職ニーズの板挟みになる双方の代理ビジネスなので、決して簡単なビジネスではありません。また求職者の意思や求人企業の各部署の意向や事業状況などに左右される部分が多いので、「ラクなビジネス」でもありません。
では事業が上手くいく事業者は、どのような企業なのでしょうか。
簡単に例をあげてみます。
- 元々人材紹介の経験があり、面談スキルが高い
- Webマーケティングに強みを持っており、求職者集客において高いパフォーマンスを出せる
- 既存事業で求職者の集客とシナジーのある事業を運営している
- いずれかの領域においてプロフェッショナルであり、その領域での人脈が豊富である
逆に言えば上の4つの項目に、いずれも自社が当てはまらない場合は「求人データベース」を活用するのがおすすめです。
既存事業と人材紹介のシナジーが薄いなど「完全なゼロからの立ち上げ」に近いため、効率的に求人数と求職者数を担保しなくては、広告費や人件費の支出が続く一方で売上が立たないピンチに直面してしまいます。
代表的な求人データベースには、人材紹介マガジンの運営元の株式会社ROXXが手掛ける「Zキャリアプラットフォーム(旧agent bank)」があります。
Zキャリアプラットフォーム(旧agent bank)利用企業はクラウド上に公開されている求人に、求職者をマッチングさせることで即時に人材紹介が可能。法人営業コストを大きく削減できることに加え、Zキャリアプラットフォーム(旧agent bank)上で別途求職者集客も可能です。
もちろん求人データベースの利用企業以外にも、人材紹介のベンチャー/スタートアップの成功例は多数あります。
ですが売上単価が大きく、低コストという観点から「誰でも簡単にできる事業」という間違った認識を持たないように注意しましょう。
まとめ
これから事業を始める方向けに、売上とコスト、そして事業運営難易度という観点から、人材紹介事業が儲かるのかという部分をついて解説してみました。
確かに売上単価の大きさや低コストという部分を見てみると、 人材紹介業は儲かりそうなビジネスと言えるかもしれません。しかし、双方代理というビジネスモデルの構造上、決して簡単に儲かるビジネスではないのです。実際に、戦略を持たずに創業し苦労している紹介事業者も多くあります。
しっかりとした差別化戦略を持っている企業、集客や求人開拓に独自の強みを持つ企業にとっては、確かに儲かるビジネスといえるでしょう。
なおこれから事業立ち上げを考えている事業者の方々は、有料職業紹介の免許申請が必要になりますので、下記記事も合わせてご参照ください。
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