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【改正職業安定法】職安法(平成30年1月1日施行)の人材紹介業者向けチェックポイント解説

職業安定法は平成30年(2018年)に法改正が行われました。改正の狙いは、「求人者(企業)および求職者(個人)に対して、より正確かつ詳細な条件を明示する」ことを義務づけるもの。法改正の狙いや、人材紹介会社やチェックするべき重要なポイントを1つ1つ見ていきましょう

改正職業安定法(平成30年1月1日施行)について

以下の記事で、人材紹介事業を運営する上で遵守すべき「職業安定法(職安法)」について解説しました。

職業安定法は平成30年(2018年)に法改正が行われました。法改正の狙いや、人材紹介会社やチェックするべき重要なポイントを1つ1つ見ていきましょう。

職業安定法とは?

職業安定法は、主に職業紹介について定めた法律です。

職業斡旋に関するルールや各種規制を取り決めており、昭和23年に制定された「職業安定行政」がベースになっていると言われています。

1999年に人材紹介事業への民間参入の機運が高まり、職業安定法が施行。以後、法改正が続き、平成30年(2018年)に改正職業安定法が施行されました。

職安法の主な内容は、以下で解説しています。

改正のねらい

改正職業安定法(平成30年1月1日施行)の改正の狙いは、「求人者(企業)および求職者(個人)に対して、より正確かつ詳細な条件を明示する」ことを義務づけるものです。

【人材紹介業者向け】改正職業安定法のチェックポイント

書類

ここからは主に人材紹介業を運営する方に向け、改正職業安定法のチェックすべきポイントを1つ1つ見ていきます。

各内容は、厚生労働省により法改正時に発行された職業紹介事業者向けのPDFファイルを参照しています。

厚労省の運営する人材サービス総合サイトへの情報提供義務

programming

人材紹介事業者は、年に一度行う労働局への報告義務とは別に、厚生労働省が運営する「人材サービス総合サイト」を通じ、以下の7項目を報告する義務が生じることになりました。

掲載・更新の必要がある時期 掲載期間
各年度(各年の4月1日~翌年の3月31日)に就職した者の数 翌年度の4/1~4/30 原則2年6ヶ月
1のうち、期間の定めのない労働契約を締結した者(無期雇用就職者)の数 翌年度の4/1~4/30 原則2年6ヶ月
2のうち、就職から6か月以内に解雇以外の理由で離職した者の数 翌年度の10/1~12/31 原則2年
2のうち、就職から6か月以内に解雇以外の理由で離職したかどうか判明しなかった者の数 翌年度の10/1~12/31 原則2年
手数料に関する事項(手数料表の内容)
返戻金制度の導入の有無及び導入している場合はその内容
その他、職業紹介事業者の選択に資すると考えられる情報【任意】

情報提供(登録)や各項目の詳細の確認、人材サービス総合サイトにて可能です。

情報提供(登録時)には、職業紹介事業者の認証が必要です。事前に厚生労働省職業安定局から通知された、ユーザーIDとパスワードを控えておきましょう。

求人の明示項目

memo

求職者(個人)の労働条件を、求人票により詳細に明示することが求められるようになりました。

省令で、明示が義務付けられた項目は以下の3つです。

  • 試用期間の有無及び期間、試用期間中の労働条件
  • 労働者を雇用しようとする者の氏名または名称
  • 派遣労働者として雇用しようとする場合はその旨

義務付けられてはいないものの、明示が推奨されている項目は以下の通りです。

  • 固定残業代制を採用する場合、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業時間、固定残業時間を超えた場合は割増賃金を支払う旨
  • 裁量労働制を適用する派遣労働者として雇用しようとする場合、その旨自社が扱う求人企業の求人票に、上記項目がもれなく含まれているか確認しましょう。

    求人・求職管理簿、事業報告への記載事項

    求人・求職管理簿で、2018年度以降に就職した求職者につき、従来の項目に加えて下記を記載することが必要となりました。

    • 期間の定めのない労働契約を締結した場合、その旨
    • 転職勧奨が禁止される期間(採用年月日から2年間)
    • 無期雇用就職者については、就職から6か月以内に離職したか否か

     

  • また事業報告には、下記を記載することが求められます。
    • 各年度(各年4月1日~翌年3月31日)の無期雇用就職者数
    • 各年度の無期雇用就職者数のうち、就職から6か月以内に解雇以外の理由で離職した者の数及び離職したかどうか判明しなかった者の数
    • 返戻金制度の導入の有無及び導入している場合はその内容
    • 職業紹介に従事する従業員の人数及び従業員に対する教育の内容

    求人者に対する啓発活動


    改正職業安定法の施行により、求人者(企業)は求人票の労働条件と実際の契約内容が異なる場合、変更内容を明示することが必要となります。

    上を踏まえ、人材紹介事業者にも、求人者(企業)に対して労働条件の明示を適切に行うように啓発活動を行うことが求められます。

    求職者対応における留意点の追加

    人材紹介事業者は、紹介した人材の早期離職を防ぐため、求職者対応において以下の点に留意することが求められます。

    • 自らの紹介により就職した者(無期雇用契約)に対し、就職した日から2年間は転職勧奨を行なってはいけない
    • 手数料に関して、払戻規定を設けることが望ましい
    • 求職者・求人者双方に、それぞれから受理する手数料の明示が必要
    • 求職者等を勧誘するに当たっては、お祝い金等の金銭を支給することは望ましくない

    職業紹介事業者の遵守事項の追加


    職業紹介事業者に対して、以下の項目を遵守することが求められています。

    • 職業紹介責任者は、職業紹介の従業者に対し事業運営の改善向上のための教育を行わなければならない
    • 職業紹介事業責任者は「厚労省人事労務マガジン」に登録して、労働関係法令の最新の方法を確認しなければならない。(代理登録も可能)

    厚労省人事労務マガジンの登録はhttps://merumaga.mhlw.go.jp/より可能です。

    まとめ

    2018年1月に改正された改正職業安定法についてまとめました。1つ1つの項目を抜け漏れがないようにチェックし、職業安定法を正しく理解した事業運営を心がけましょう

※当サイトに掲載されている記事や情報に関しては、正確性や確実性、安全性、効果や効能などを保証するものではございません。

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