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コラム
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人材業界の優良企業の見極め方!「ブラック」と呼ばれることが多いのはなぜ?

今回は人材業界の優良企業の見極め方や、業界の将来性。また人材業界の本質的な「社会的価値」とはどのようなものかを解説します。

人材業界は労働集約型ビジネスに位置付けられることが多く、長時間労働になりやすい傾向があり「ブラック」と呼ばれることもあります。

また、企業側から見ると1名の採用決定の見込み売上が大きいことも事実。求職者(個人)からすると「転職を選択肢として押し付けられている」とも感じてしまうこともあり、転職エージェントが評判を落としてしまうこともあります。

まずは「ブラックと呼ばれてしまう理由」や、本質的な人材ビジネスの価値を1つ1つ見ていきましょう。

人材業界は「ブラック」と呼ばれることも多い

人材業界は、ブラックと呼ばれることも多い職種の1つです。

その理由の1つが、古典的な「多くの営業マンが長時間労働をし、あらゆる店や企業に営業をし続けている」イメージではないでしょうか。

優良企業の見極め方を知る前に、まずは背景知識として、人材業界が「ブラック」と呼ばれるケースがある理由を見ていきましょう。

労働集約型ビジネス

人材紹介事業立ち上げ 求職者集客

人材業界の多くの企業は「労働集約型ビジネス」に位置付けられることが多いです。

労働集約型とは、生産活動における資本の割合が低く、労働力(=人材)への依存度が高い産業のことです。労働集約型ビジネスの代表例は、第一次産業の農業や漁業。第三次産業のサービス業や流通業も該当します。

労働集約型の対義語は、資本集約型。資本集約型の「資本」とはお金だけを指すのではなく、一定の設備投資が必要な「機械」「テクノロジー」なども指します。

人材業界は「マッチングの精度」が重要視される業種です。求人企業の信頼を得るには、求職者(個人)とキャリアカウンセラーが面談を行い、本人の適性を見極めた上で求人者(企業)との面接の場を作るといった一連のプロセスが重要。
加えて、特に好況時は各社が採用を強化します。

転職エージェントにとってはマッチング機会を取りこぼさないように営業人員を増員し、求人者(企業)と細かく連絡を取り合ったり、新規開拓に注力することで右肩上がりに業績が伸びやすくなります。

「マッチング精度の向上」と「営業人員を増加することで売上が伸びやすい仕組み」の両面から人材業界は労働集約型に位置付けられやすい業種です。

長時間労働になりやすい

人材業界の構造について考えるとき、注意が必要な点は「営業人員の増加によって売上が伸びやすいのは、好況時である」という点です。

不況時は、多くの企業が採用の枠を狭めます。特に採用後に、採用コストとは別途に教育コストが発生する「未経験者」の求人は減少する傾向が強いです。

すると、人材会社にとってはマッチング機会が減少し、売上が思うように伸びない状況となります。

よって営業人員の総数に対して売上の数値が低く「1名当たりの労働生産性が低い」という状態が生まれます。

現場レベルでは売上目標に対するプレッシャーが強くなり、長時間労働を強いられる可能性が出てきます。

「転職を押し付ける」キャリアコンサルタントもいる

多くの転職エージェントは、求職者(個人)に対しては無料でサービスを提供。採用決定時に求人者(個人)から手数料を受け取る形のビジネスモデルを採用しています。

人材企業の手数料については、こちらの記事でまとめています。

つまり転職エージェントにとっては、個人にどれほど支援を提供しても、企業とのマッチングが成立しなくては売上に繋がりません。

よって一部の悪質なキャリアコンサルタントは、自社の売上を優先し、強引にでもマッチングを成立させようと「転職を押し付ける」動きをすることがあります。

「売上>人」のマッチングは、求職者にとっての利益を最優先しているとは言えません。個人の立場から「人材業界はブラックである」と映っても、仕方ない面はあるでしょう。

近年は、人材業界への新規参入のハードルが低くなり「求職者様をなによりも第一に優先する」というスタンスの小規模人材紹介会社も登場しています。

こちらの記事では、求職者を第一に考える本質的な価値提供を掲げ、事業の利益率は90%以上を誇るスタートアップ企業のインタビューをお届けしています。
ぜひ、併せてお読みください。

人材業界の社会的価値

recruitment

先ほど、「売上>人」のマッチングについて「求職者にとっての利益を最優先しているとは言えません」と述べました。

人材ビジネスにとって、本来の主役は「人材」です。

自社の売上ばかりを優先すると、その人材を本来は適性がない案件とマッチングさせ、ビジネスパーソンとしてのキャリアを狂わせてしまう可能性があります。

人材業界の社会的価値は「求職者を何よりも優先し、価値提供を行う」ことを第一とした上で、より多くの人々に就業機会を提供。社会の人的資源を有効活用しながら、経済を活性化させていくことにあるでしょう。

こちらの記事では、ウィズコロナ時代の人材ビジネスの社会的価値や今後の展望についてより詳しく解説しています。

人材業界の優良企業を見極める方法

ここからは、人材業界の優良企業を見極める方法を見ていきます。

優良企業を見極める方法は、1つではありません。たとえば売上高が大きな企業は、より多くの人に対して、より適切な就業機会を得るきっかけを与えているという意味で「優良企業」と言えるでしょう。

年収が高い企業は、働いている社員にとって「成果をより高く評価してもらうことができる」会社であると言えるでしょう。

つまり、優良企業を判断する尺度は1つではなく「どの角度から各社を評価するか」が重要であるということです。

1つ1つ、見ていきましょう。

こちらの記事では、人材紹介会社を20社まとめています。併せて参考にしてください。

売上高

人材業界の売上別ランキングの、TOP5はこちらの記事でまとめています。

1位はリクルートホールディングス。2012年には求人情報専門検索エンジン「Indeed」の全株式を取得し、グローバル展開に注力。

国内市場においては安定期、海外市場においては「Indeed」を中心に成長期に突入している企業と言えるでしょう。

年収

人材業界の年収別ランキングの、TOP5はこちらの記事でまとめています。

こちらも1位はリクルートホールディングスです。

企業の沿革・歴史

人材紹介 不景気

売上高や年収の額が大きな企業は、各マーケットで高いシェア率を誇る会社であることが多いです。創業からの歴史が長い企業も多いです。

かつて稲盛和夫氏は、京セラの社内で「企業寿命30年説」に基づき、以下のようにスピーチをしています。(※1)

「どうも会社というのは、創業して三〇年ぐらいたつと、ガタがきて傾くのが普通らしい。京セラも、もうすぐ三〇周年を迎えるけれども、なんとしてもみんなで力を合わせて、傾かせないようにするどころか、さらに立派な会社にしていこうではないか」

創業から30年近くを経ても、積極的な新規事業の立ち上げやM&A、社員採用などを続けている企業は未だ「衰退期」ではなく、「成長期」「安定期」にあると言えるでしょう。

企業の成長フェーズの見極め

リソース投下場所をフォーカスする

企業の成長フェーズは以下のように分かれます。

  • 創業期
  • 成長期
  • 安定期
  • 衰退期

創業期はビジネスモデルと熱意はあるものの、社内体制が未整備。また市場でのシェアも小さく、社員1名1名の権限が非常に大きな状態です。0を1にするための努力が求められるフェーズで、特に社員は経営者と一蓮托生となり、事業に邁進する姿勢が求められます。

成長期は事業が波に乗り、大きく会社が拡大するタイミング。事業拡大に伴い業務過多となりやすく、中途採用で新たな人材が次々入社。企業の文化が変わり始めるタイミングでもあります。この時期に、さらなる資金調達や上場に向けて動く企業も多いです。

安定期はビジネスが文字通り安定し、社員の福利厚生やワークライフバランスの充実などに向け社内体制を整備しやすいタイミングです。

衰退期は業績の悪化や事業撤退、M&Aなどが続くタイミング。社員のモチベーションが低下しやすく、経営陣にとってはリストラや拠点閉鎖なども検討すべき時期です。

各社のコーポレートサイトで会社の沿革や事業内容を確認することも、その企業の体質や現状を判断する貴重な材料になります。IR資料が公開されている場合は、業績の詳細にも目を通しておきましょう。

ビジネスモデル

人材紹介業のビジネスモデルの詳細はこちらにまとめています。

人材紹介マーケットでは、各社のターゲットレイヤーの二極化が進んでいます。
1つは「ハイクラス人材」。

もう1つは「未経験者」。

どちらのターゲットレイヤーを対象にビジネスを展開するかによって、1名の採用決定にかかるコストや見込み売上の額が大きく変わります。

ターゲットレイヤーの二極化については、こちらの記事でまとめています。

「人材」ファーストかどうか

各社が「人材」ファーストのスタンスで、求職者(個人)のキャリアの目的達成にコミットしているか否かも重要です。

特に、求職者(個人)のキャリアカウンセリングにどの程度の時間とコストを割いているかは各社で対応が分かれる部分です。

こちらの記事では、転職支援そのものではなく「個人のキャリアの目的達成」にコミットすることの重要性をインタビュー形式でまとめています。

併せて参考にしてください。

人材業界の将来性

アウトバウンド営業

最後に人材業界の将来性についても、1つ1つ見ていきましょう。

市場規模

大手人材紹介会社との違い

人材業界全体の市場規模は、事業者売上高ベースでおよそ7兆円です。(※2)

人材業界の市場規模は、2019年時点で広告業界とほぼ同等。鉄道や電力といったインフラ産業に近しい市場規模へと拡大しつつあります。

中長期的には、少子高齢化に伴う労働力人口の減少は免れません。

しかしHRテックの活用やグローバル展開など様々な展開が考えられ、今後も需要が大きな市場の1つと言えるでしょう。

こちらの記事では人材業界の市場規模についてより詳しくまとめています。

HRテック

人材紹介管理ツールとは

労働集約型と呼ばれる人材紹介業界ですが、クラウドなど各種IT技術の導入も進んでいます。

例えば、人材紹介業界のHRテックの事例としては「求人データベース」が挙げられます。

求人データベースとは、クラウド上に掲載されている求人案件と求職者(個人)をマッチングすることで、求人案件獲得に向けた法人営業を行うことなく人材紹介業を運営できるものです。

こちらの記事でより詳しく、求人データベースについては解説しています。

新規参入ハードルは低下傾向にある

人材紹介業では、法改正が進み、新規参入のハードルは低下傾向にあります。
たとえば平成29年の法改正以前は、人材紹介業の運営にはオフィス要件が定められていました。

「20㎡以上の面積を有していること」「求人者、求職者の個人的秘密を保持し得る構造であること」などの条件があり、新規参入のネックとなっていました。

しかし法改正以後は、レンタルオフィスやシェアオフィス、SOHOなどでも事業運営が可能です。

起業する場合は「立ち上げ時の戦略設計」が最重要

もしも人材紹介業で起業する場合は、立ち上げ時の戦略設計が最重要です。

市場の動向やターゲットレイヤー、自社の人的リソースを見誤ってしまうと立ち上げはうまくいきません。

こちらの記事では、人材紹介業の立ち上げ時の戦略設計についてインタビュー形式でまとめています。

人材紹介マガジンを運営するagent bankでは、人材紹介業の立ち上げを検討している方に向け求人データベースの提供及び戦略サポートを行なっています。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回は、人材業界の優良企業の見極め方について解説しました。

労働集約型でブラックと呼ばれることもある人材業界ですが、優良企業が多数存在することも事実。また近年ではHRテックも普及し、広告業界と同等の市場規模へと拡大を続けています。

agent bankでは人材紹介業の立ち上げサポートを提供。求人データベースも提供しております。ご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

(※1)「企業寿命30年説」から読み解く!経営者に求められる8の資質
(※2)人材ビジネス市場に関する調査を実施(2020年)

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